吉住が“教祖”と担がれるラジオで大切にしていること 「本来の私が出てきただけ」

「私が上だ、お前たちが下だ」 教祖・吉住の誕生

――これまで番組を続けてきて、お互いに新たな発見はありましたか?

森枝:新たな発見というわけではないですけど、番組を始める前から、吉住さんは「感情が表に出たときが面白い」と思っていたんです。でも、ライブでトークなどを聞いていると、どうやら自分から感情を出していくのはあんまり得意ではなさそう。

 その点、『煩悩ガール』ではリスナーさんたちが吉住さんの感情を引き出してくれるので、そういう面白さが感じられていいと思いますね。

吉住:最近はリスナーさんだけじゃなく森枝さんも私を憤慨させるようなことを言ってくるんですよ!

森枝:そうね。時々そういうこともありますね(笑)。

吉住:でも、助かっているところでもあるんです。コントもそうですけど、私はどちらかといえばしっかり道筋に沿っていくのが好きなタイプなので、ライブ感のあることに苦手意識がある。でも『煩悩ガール』では、私がトーク中に迷子になっても森枝さんが「こっちだよ」と導くように話してくれるので、ありがたいですね。

――すごく素敵な関係性ですね。

吉住:森枝さんがめちゃくちゃ気を使ってくださって、私がそれに甘えてずんずん歩いて行ってるだけなんですけどね!

――おふたりが印象的だった、特に覚えている回はありますか?

吉住:すごくよく覚えているのは、私が調子を崩した回(#8 あんなに敵だと思っていたのに!)ですね。なにをやったかは覚えていないんですけど、とにかく何もうまくいかなかったことだけは覚えてる。

森枝:やる予定じゃなかったコーナーのタイトルを言うとかね。

吉住:そう。ミスばかりして、ボロボロで。でも、森枝さんが言ってくれた「感情が出ているほうが面白い」というのにつながりますけど、恥ずかしいと思ったら恥ずかしいと言うようなことが面白さにつながったから、以降はそうしていこうと思いました。偶然から生まれたミスではありますけど。

――他の番組だと、うまくいかなかったらボツにしてしまうことも多いと思うので、珍しいですね。

森枝:もちろん吉住さんにストレスを与えたくないので、そのときの収録音源を配信してもいいかどうかは事前に確認しました。吉住さんが「お任せします」と言ってくれたから、良かった。

吉住:森枝さんが面白いと思うならもちろん使っていただいて構わないし、聴いていられないと思うなら編集したり没にしたりしてもらっていいと思っています。

森枝:嫌だと言われたら絶対に配信しなかったけど、僕は面白いと思ったから。

吉住:だから、番組のターニングポイントといえばそこかもしれません。別に元々「こう見られたい」と強く思っていたわけではないですけど、「こう見られた方がいいんだろうな」とか「こういう人でいた方がいいんだろうな」と思っていたところはあって、その気持ちが全部なくなった感じがします。

森枝:リスナーさんもその頃から、吉住さんとどう接すればいいのかを掴んでくれたと思います。

――番組が始まってからしばらくして、吉住さんが「教祖」として扱われるようになりました。

吉住:そうですね。今日の収録でも声を荒げながら「私が上だ、お前たちが下だ」って言いましたからね。線引きは大事にしたいと思っています。

森枝:「教祖」と言われ始めたのは、(#33 教祖が幸せになればみんなが幸せになる。)だったかな。

――「教祖」と呼ばれるに至ったのは、リスナーさんから吉住さんが担がれ続けた結果なんでしょうか。

吉住:いや、本来の私が出てきただけです。でも、それすらも受け止めてくれるんだという驚きはありました。正直、本来の私を出したら反発があるかと思ったんです。でも意外とみんなが「教祖」と言おうということになったから、この形になりました。

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