にじさんじ・イブラヒムが放つ色とりどりな魅力 溢れ出る創造性とフランクな雰囲気が人を惹き付ける

“ソツがない”以上の魅力は”強いこだわり”にあり

 ゲームをプレイをするうえで自分なりのプレイスタイルを持つプレイヤーは多いだろうが、にじさんじに所属しているタレントのなかでも、イブラヒムは“こだわり”が強いプレイヤーでもある。

 コーエーテクモゲームスから発売されている『三国無双』『信長の野望』をプレイする際には、にじさんじに所属しているタレントに事前に許可を得て、オリジナルのキャラクターとしてゲーム内に一人ひとり作成(クリエイト)し、彼らを使ってゲームクリアを目指していく企画を実施。

 「配信内でキャラクターとして作成してよいか?」と各ライバーに許可を取るだけでなく、ゲーム内で使用するキャラクターの画像もファンアートをリスナーから募集するなど、ひと手間どころではない労力が込められた2つの企画。それぞれ「にじさんじ無双」「にじライバーの野望」という企画名で配信され、共に大きな人気・注目を博した。

〈参考:【企画】にじさんじライバーがたくさん登場するゲーム

【2.0】#にじライバーの野望【第1章:群雄集結】

 特に「にじライバーの野望」は、70名を越える面々をキャラクター作成するだけで配信2回分を擁し、リスナーに実際のゲームの流れや注意事項をしっかりと説明。その後の配信でもコメントの有用なアドバイスを取り入れつつ、無粋なコメントにはしっかりと注意、どのように転ぶか分からない戦いをリスナーとともに楽しみ、大きな盛り上がりを見せた。

 こうした丁寧な企画とプレイの上手さ、見せ方を含むコンテンツとしての完成度の高さがメーカーの目にも留まり、現在発売中の『信長の野望・新生 with パワーアップキット』に“イブラヒム自身”がオリジナル武将として登場、さらに自身が考案したオリジナルシナリオの実装が2023年7月に発表された。

 自身のこだわりと労力を惜しまずに生みだした企画配信がきっかけとなり、このような形で公式化される。その影響力の高さが改めてよくわかる話題であろう。

【信長の野望・新生 with パワーアップキット】ついにこの時が来た!!とんでもねー発表もある【にじさんじ/イブラヒム】

 イブラヒムの強いこだわりは、自身の配信だけでなく公式企画などでもたびたび発揮される。2022年・23年と2年連続で出場することになった大型企画 『にじさんじ甲子園』でのプレイスタイルも、その例に入るだろう。

 彼が自身の配信内で『実況パワフルプロ野球』をプレイしたのは、じつは当企画に参加する数年前、2020年9月5日のこと。初開催だった『にじさんじ甲子園』企画からいったん時間を置き、“あえて”秋ごろからプレイしたわけイブラヒムだが、当時の野球知識は「打って走る!」「9人でやる……? だよね?」と話すなど、ほとんど皆無であった。

初見スーパー栄冠ナイン青春王子様高校

 そんなイブラヒムは配信内で徐々に『パワプロ』シリーズに触れて理解度を深めると、ついに公式企画であった『にじさんじ甲子園2022』に初参戦。

 球速ではなく制球力と変化球で勝負する、走力とミートに力を入れるという「機動力野球」を狙ったチーム育成に着手するが、結果は惨敗。

 じつはこの企画中、「自分のチームの数値を見ておきたい」と配信外でチェックした際、データセーブせずにゲームを終了。その後、配信上でプレイスタートした際に気にせず進行してしまったため、ゲーム内ペナルティを課せられて育成選手の能力値が大幅に下がってしまうというミスをしてしまったのだ。

 イブラヒムの企画を支えてきた「裏での事前準備」がこのような大きなミスに繋がってしまうとは、彼としてもかなりショックが大きかっただろうと想像できる。

 

 だからこそ、今年開催された『にじさんじ甲子園2023』にかける気持ちは非常に強かったはずだ。以前筆者が同企画について触れた記事でも取り上げたが、勝利のカギを握る天才投手を引き当てると、「裏で天才投手三年縛りで育ててみる」とSNSで報告し、かなり戦略的に育成方針を考えたのだ。

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 その一方で、同時期には『グランド・セフト・オートⅤ』を使った大型企画『VCR GTA』にも参加しており、長時間にわたる配信もおこなっていた。つまり、裏では選手育成のために作業を進め、大会に向けての育成配信では大きなプレッシャーと数万人の視線が注がれ、もう一方の大型化企画にも参加して…2023年7月から8月にかけての配信において、彼の体力・時間の割き方は想像よりも過酷かつタイトだったはずだ。

 最終順位は10チーム中5位という結果ではあったものの、心血注いで育成した天才投手であるローレン・イロアスは大会屈指の好投手となり、チームの躍進を支えることになった。昨年に引き続いて押し進めた「機動力野球」のコンセプトも、随所に形となって現れていた。同大会を観戦したリスナーやファンならば、その成長ぶりと努力の跡が分かるだろう。

 その後の雑談配信では「今日の甲子園、実際の大会もめちゃくちゃ面白かった」「プロ野球ってバント全然しないよね。スクイズなんて見たことない」とリアルの野球を見た感想を熱っぽく語り、「走塁のAI弱くして欲しい」「『パワプロ2024』がいまから楽しみ」と次回作にも期待していた。来年こそは深紅の優勝旗をコーヴァス帝国に。歓喜の声を上げるイブラヒムを是非見てみたいものだ。

【夏は色々あった】#にじ甲2023 【イブラヒム/にじさんじ】

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