バウアーだけじゃない“DeNAの助っ人外国人YouTuber” ウェンデルケンの動画はさながらカップルチャンネル?

 いま日本プロ野球の話題の中心は横浜DeNAベイスターズのトレバー・バウアーと言っても過言ではない。7月中旬に行われた『マイナビオールスターゲーム2023』では、ホームラン競争でチームメイトの牧秀悟と中日ドラゴンズの細川成也の対戦中、なぜか細川のタオルを掲げる場面もあった。ユニークな姿だけではなく、8月3日の広島戦に先発した際には10回無失点の熱投を、続く8月9日の中日戦では7回無失点の好投を見せ、状態が悪くなりつつあるチームを鼓舞するようなピッチングを披露している。

 ただ、グラウンドだけがバウアーの主戦場ではない。いまではプロ野球選手兼YouTuberという肩書が板についており、YouTubeでも大暴れしている。7月24日の動画ではオールスターゲームに出場したときの様子をアップロードし、様々な選手と交流する様子が見られる。7月30日の動画では原爆ドームに足を運んだバウアーが、“老朽化した原爆ドームを取り壊すべきか保存するべきか”という議論がなされていることに触れ、「目の当たりにして理解できることがある」「悲しい記憶だがこのような場を設けてくれたことに感謝している」と私見を述べている。

この試合は投げるべきではなかった

 音声読み上げソフトの謎の日本語ナレーションも面白く、ペットボトルのキャップを使って野球するなどバラエティ豊かな動画も多いバウアーのYouTubeチャンネル。ただ面白いだけでなく、日本という国を理解しようとしている姿勢も人気の秘訣なのかもしれない。

 YouTubeチャンネルを開設しているDeNAの外国人投手はバウアーだけではない。バウアー同様に今シーズンから加入したJ.B.ウェンデルケンもその一人だ。YouTubeチャンネル「The Wendelken’s ウェンデルケン」は現在チャンネル登録者数2.7万人ほどでバウアー(約37万人/2023年8月9日時点)ほどではない。ただ、バウアーとはまた違った魅力の動画が多く投稿されている。

 『ウェンデルケンのYouTubeチャンネルは基本的にパートナーであるヘイリーさんが撮影している。ヘイリーさんがカメラの前で本日の予定などを話したり、日本の様々な箇所を訪れて観光したりなどVlog的な内容になっている。また、動画にはウェンデルケンと一緒に出かけ、さながらカップルYouTuberのような仲睦まじい掛け合いを見せる様子を映し出す。さらには、娘さんと触れ合う姿も見られ、ファミリーチャンネル的な要素も楽しめる。

 150キロ越えのストレートをバンバン投げ込み、気迫あふれる投球で幾度となくチームのピンチを救ってきた“JB(ウェンデルケンの愛称)”の姿はDeNAファンにとっては見慣れた光景。ただ、そんな勇ましいマウンドでの姿とは裏腹に、ヘイリーさんや娘さんと触れ合うリラックスした表情のギャップが激しく、ついつい頬が緩んでしまう。

 また、7月22日に投稿された最新動画では広島を訪れた際に原爆ドームに夫婦で立ち寄るシーンがあった。バウアー同様、日本の文化だけでなく歴史にも関心を示そうとしており、日本の野球だけではなく日本という国自体になじもうとする姿勢は野球ファンとしては胸が熱くなる。

広島を散策

 こちらもバウアーの動画でも同じことが言えるが、コメント欄が温かい声に包まれているのも魅力だ。英語と日本語が半々ではあるが、英語でコメントをしている日本人と思われるアカウントも珍しくない。「日本の歴史に興味を持ってくれるのはとても嬉しい」「It's fun to see the two of you getting along so well」など、コメントを読んでいるこちらも優しい気持ちになれる。

 バウアーほど頻繁に動画をアップしていないが、ウェンデルケンの動画にも注目したい。

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