まるで『ゼルダBotW』? 「ぼくなつ」シリーズの精神的続編『なつもん!』が支持を集める理由
7月28日、『なつもん! 20世紀の夏休み』(以下、『なつもん!』)が発売となった。
「夏休みを体験するアドベンチャー」としては、2021年7月発売の『クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」〜おわらない七日間の旅〜』(以下、『クレしん オラと博士の夏休み』)以来、2年ぶりの新作となった同タイトル。「ぼくのなつやすみ」の精神的な続編ということもあり、シリーズファンを中心にじわじわと話題を集めつつある。
目の肥えたファンをも納得させる『なつもん!』の面白さとは、いったいどのような点にあるのだろうか。その魅力について考えていく。
今度の「ぼくなつ」はオープンワールド。シリーズの精神的続編である『なつもん! 20世紀の夏休み』
『なつもん! 20世紀の夏休み』は、トイボックス/ミレニアムキッチンが開発、スパイク・チュンソフトが発売を手掛けるオープンワールド型のアクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは、サーカス団・団長の一人息子である10歳の少年・サトル(名前は開始時に変更可能)を操作し、海の見える緑豊かな田舎町・よもぎ町で夏休みならではの出会いと体験を積み重ねていく。
開発にクレジットされているミレニアムキッチンは、「ぼくのなつやすみ」などで知られるゲームソフトの企画・制作会社。『なつもん!』の原作・脚本・ゲームデザインは、同社の代表取締役であり、シリーズのメインデザイナーである綾部和氏が担当している。そのような背景から、『なつもん!』には「ぼくのなつやすみ」のエッセンスを感じられる部分が少なくない。タイトル上は別のIPとなっているが、実質的にはシリーズの続編・派生作品とも考えられている。
一方、「ぼくのなつやすみ」とは異なり、自由な視点移動、オープンワールドシステムを採用している点が、『なつもん!』の独自のゲーム性だ。ストーリーが進行すると、主人公は多段ジャンプや壁登り、滑空といった現実離れしたアクションも可能となる。こうしたインプレッションもあり、すでに手に取ったプレイヤーからは、オープンワールドジャンルの金字塔『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』をもじり、『なつもん・オブ・ザ・ワイルド』とも表現されている。
対応プラットフォームはNintendo Switchで、価格は5,980円(税別)。公式は、「さあ、あの夏の大冒険へ。」をキャッチコピーに掲げている。