富士山の麓で新感覚の最新AR体験! アミューズが手掛ける『ナイトウォーク』がファミリーに大人気なワケをテック視点でレポート

 富士北麓エリアの大自然に最新AR技術とエンターテインメントを融合した新感覚アドベンチャー体験『ナイトウォーク〜クライの森と6つの星〜』が好調だ。その理由はどこにあるのか? 夏休みの親子体験にも最適というアミューズが企画・製作を手がける最新エンターテインメントをさっそくリアル体験!

 2021年7月に本社を山梨県・西湖に移転した総合エンターテインメント企業のアミューズ。その理由のひとつに地域創生があるが、富士山のお膝元である富士北麓エリアで、具体的なプロジェクトが次々と進行している。自然共生型のテーマパーク「富士すばるランド」の閉園後の時間帯に展開している、最新AR技術を駆使した夜の体験型アドベンチャー『ナイトウォーク〜クライの森と6つの星〜』もその筆頭だ。昨年7月30日から10月30日までの期間限定で開催され、約1万人を動員。大反響を得て、今年はさらに内容がグレードアップ・リニューアルされた。すでに4月30日から金土日祝でスタートし、10月29日まで開催されている。が、富士山麓のエリア特性もふまえ、その醍醐味を最大限に堪能するなら真夏に限るというワケで、さっそく”ナイトウォーク”体験をしてきた。

 『ナイトウォーク〜クライの森と6つの星〜』は夜の「富士すばるランド」園内に放たれた怪しいピエロ・クライたちを専用タブレットのカメラアイを使って封印し、6つの星を取り戻すミッションに挑戦するという子どもから大人まで楽しめる新感覚アドベンチャーだ。敵役となるクライがARキャラクターで、園内の指定スポットを訪れると専用タブレット上に出現。タブレットをダイレクトタップし、ARキャラクターの写真を撮ることでクライを封印するというシューティングゲーム的な要素も多分にある。

 突如、タブレット上に現れ激しく動きまわり、攻撃を仕掛けてくるARキャラクターに対して、タブレットを 長押しして仕留める(=写真を撮る)とボーナスポイントが加算されるなど、今年はゲーム性がさらにパワーアップ。獲得ポイントがタブレット上で確認できるようになった。獲得ポイントでランクがあがっていき、優秀な成績を収めると「レジェンド」「カメラ神」といった称号を得ることができる。加えて、夜の園内に照明や音響、イルミネーション、プロジェクションマッピングなどを駆使することで、幻想的なドキドキ・ワクワク空間を創出。さらにARキャラクターには敵役・クライのほか、ストーリーテーラーを務めるプレア(声:小泉萌香)、老木(声:小倉久寛)も登場し、”ナイトウォーク”を盛りあげてくれる。

 実際に夜の園内を”ナイトウォーク”して体感したのは、とにかく新感覚のエンターテインメントであることだ。正直なところ、AR体験をするのに富士北麓である必要性があるのか? と素朴な疑問もあったのだが、いざ、”ナイトウォーク”してみると、夢中になって専用タブレット上に出現するクライ(敵役のARキャラクター)を連打している自分がいる。空気のきれいな大自然のなかでのAR体験がものすごく心地いいのだ。ライトアップなどを駆使して幻想的な空間に演出されている夜の「富士すばるランド」のロケーションも感動を倍増させる。そう、夜の遊園地って子どもも大人も妙にドキドキ・ワクワクするものだ。

 ”ナイトウォーク”中に夜のSL列車に乗るシーンがあるのもニクい演出だが、ARキャラクターの設定も含めて全体的にストーリー性の完成度がこのうえなく高い。さすがは、エンターテインメント企業であるアミューズの仕事といったところか。ネタバレになってしまうので詳細に触れるのを控えるが、フィナーレでは思わずウルっときてしまった。帰り道に園内の看板に掲出されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、”ナイトウォーク”に登場したARキャラクターが自分のスマートフォンで楽しめるという仕掛けも。最後まで抜かりなしというわけだ。

 ご存知のとおり、ARとは拡張現実のことで、画像や空間、位置で現実世界の情報を認識し、バーチャル情報をその現実世界に重ね合わせて表示する技術。システムさえ組みあげれば、大がかりな設備の必要なしに比較的簡単に現実世界にデジタルを融合できるメリットから、各地のテーマパークや観光地などでイベント的な活用が進んでいる。今回、アミューズが企画・製作を手がけている”ナイトウォーク”は、そこに大自然のなかにあるアスレチックパークというロケーションと、高いストーリー演出性を巧妙にかけあわせたAR技術の有効活用の好例といえる。

 スマートフォンやタブレットなどを使うにしても、感覚的に柔軟な子どものほうが早く使いこなせるようになるものだが、子どものうちから気軽にAR体験させていくのにちょうどいいかもしれない。ファミリーで訪れるべき夏休みスポットとして激オシだ。

 今年は”ナイトウォーク”の前エピソードともいうべき、昼間に楽しめる新アトラクション『クライパニック〜スマイル救出大作戦!』も開催している。『ナイトウォーク〜クライの森と6つの星〜』のエピソード・ゼロとなるストーリーをオリジナルアニメーションで体験し、子どもから大人まで簡単気軽に楽しめるシューティング・ゲーム。要は専用タブレットの画面上に出現したARキャラクーを撃退するという、”ナイトウォーク”遊びのキモを事前に一度、体感しておくことで、夜本番も心置きなく存分に楽しめるというわけだ。

 会場となる「富士すばるランド」は国道139号線のスバルライン入口交差点から、富士山五合目へとつながる富士スバルラインをクルマでそこそこ奥まで進んだところにあるが、アミューズはこの富士北麓エリアで新プロジェクトを次々と始動させている。「富士すばるランド」に隣接する体験型アドベンチャー施設「FUJI GATEWAY」もそのひとつ。キャンプ場やカフェのほかBEAMS JAPAN、オリジナルクラフトビールを扱うショップなどを併設した、富士北麓エリアの旅、遊びの拠点的スペースだ。

 ちなみに、最新AR技術とエンターテインメントを融合させた”ナイトウォーク”はその独自の世界観とそれらを活かすテクノロジーが評価され、2022年「デジタルえほんアワード」も受賞しているが、今後もアミューズが提案する新しいエンターテインメントのカタチから目が離せない。 

開催概要

■「ナイトウォーク〜クライの森と6つの星〜」
https://www.cry-forest.com

会場/富士すばるランド
〒401-0301 山梨県南都留郡富士河口湖町船津字剣丸尾6663-1
https://www.subaruland.jp/

開催期間 / 4月29日〜10月29日
時間 / 18:45〜22:45(最終受付21:30)、15分間隔で各回定員30名
※期間によって変動あり
※8月は毎週木曜日のみ定休、7月、9月、10月は毎週金・土・日・祝日開催

オンラインチケット:大人4200円/小人2900円
当日購入:大人4500円/小人3200円
グループチケット(4名まで):オンラインチケット/12500円、当日購入/13000円

■XRアクティティ「クライパニック〜スマイル救出大作戦!」

営業時間 / 9:30〜16:00
場所 / 富士すばるランド
チケット / 共通チケット1000円

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