Netflix『オオカミちゃん』で“騙す恋”の裏側が明らかに アラサーメンバーが集結したからこそできる大人な駆け引き

Netflix『オオカミちゃん』の大人な駆け引き

 ABEMAの人気恋愛番組『オオカミ』シリーズの最新作が、Netflix版『オオカミちゃんには騙されない』(以下、『オオカミ』)として配信されている。

 本シリーズの最大の特徴は、真実の恋を探す男女の等身大の姿を追いつつ、参加メンバーの中には恋をしてはいけない役割を与えられた“嘘つきオオカミ”が潜んでいること。

 今回は女子の中に1人以上の“オオカミちゃん”がいるようだ。「好きではないのに好きなフリをする嘘つき“オオカミちゃん”」をめぐる心理戦を含んだ恋愛模様も本作の見どころとなっている。

 今回も俳優、アーティスト、モデル、スポーツ選手ら多彩な才能が集合。Netflixシリーズの『オオカミ』の出演者はABEMAシリーズに比べて年齢層が高く、23〜32歳と20代後半を中心としたメンバーが集まったことで、大人な恋愛が観られることにも期待が高まる。

 そして、このNetflixシリーズとオリジナルの最も大きな違いが、早々に“オオカミちゃん”が誰なのかが明かされたことだ。(以下、ネタバレ注意)

 ABEMA版では“オオカミ”の正体は最終話まで明かされず、「誰がオオカミなのか」を考察することを含めて盛り上がることが常。しかし、今回事前にその存在がわかっていることで、物語の全く異なる側面が見え、新たな『オオカミ』の楽しみ方が創出された。

Is She The Wolf? S1. Ju!ie in Is She The Wolf? S1. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

 明かされた“オオカミちゃん”はシンガーソングライターのじゅり(JU!iE)。じゅりは俳優・カメラマンのロビン(古屋呂敏)に一目惚れをしてしまい、大好きな人を騙し続けなければならないという苦悩を終わりまで背負うこととなった。やはり好きな人を欺くことに引け目を感じたのだろう。物語中盤で行われる「中間告白」で自分の気持ちを100%ぶつけた後に、これ以上ロビンに近づくと自分の気持ちも壊れ、相手のことも傷つけてしまうと、自ら離れることを決断。そんなじゅりの姿からは、足し算ではなく引き算の恋模様を見ることができる。

 一見普通の恋愛にも見えるが、本作は少し大人の『オオカミ』。日常の恋愛でも、特に大人の恋になればなるほど「結婚」等将来のことを加味すると“好きだけれど離れなければならない”“好きだからこそ一緒にはいられない”というようなシチュエーションも出てくるわけで、そういった恋愛に対するもどかしさや切なさは今回の『オオカミ』ならではなのかもしれない。

 そんなじゅりが「日本の絶景を写真に収め世界に発信する」という共同作業ミッションの撮影パートナーとして選んだのが、友人として見ていた俳優のマサキ(中尾暢樹)。一緒に行うことで距離も縮まるであろうというチャンスにマサキを指名した成り行き感は、とてもリアルに感じる。男女の全てを恋愛要素として結びつけず、気負わずに成り行きに任せられるのも、大人ゆえの楽しみに映った。

Is She The Wolf? S1. (L To R) Tomoki Yonemura, Mikako in Is She The Wolf? S1. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

 また、三角関係に陥った際の対応も、やはり出演者が大人になると余裕があるように見える。マサキはダンサーのMikakoに好意を寄せるも、それがアーティストのWho-yaと互いに同じ人が気になっていることがわかると、「そりゃあ魅力的な女性だから」とすぐさま答えたところからも、年齢を重ねたからこそ出る一歩ひいた余裕が感じられた。

 恋愛番組において、出演者が若くなればなるほど「相手よりも自分の方があなたを想っている」と純度100%の想いをぶつけては競いがちだ。しかし大人になってもっと俯瞰で全体を見られるようになることで、自分がアピールするところと“引くときは引く”というところで強弱がつけられるようになり、10代には出せない潔さが垣間見える。

Is She The Wolf? S1. (L To R) Taiju Shiratori, Gabby in Is She The Wolf? S1. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

 一方で、大人が真っ直ぐな思いをぶつけるからこその胸が熱くなる瞬間もある。格闘家の大珠(白鳥大珠)がマルチタレントのほのか(西村歩乃果)に想いがあると知りながらも、アピールすることを決めたモデルのギャビーの勇気を出した一歩は心から応援したくなった。

 年齢を重ねるほどに先読みができたり、勝手にパターン分けをしてしまい、アプローチを始める前から自分の中で恋の予感を強制終了してしまうことがあるが、そんなことはお構いなしに、時にわがままに自分の気持ちに素直になってみるのも必要なのだろうと気付かされる。俳優の桜子(大久保桜子)とマサキ、ロビンも言っていたとおり、大人になるほどに表面上はそつなく人間関係をこなすことができる“コミュ力お化け”になりやすいが、自分本位で突き進んだ方が良い時だってあるのだ。大人になったいまだからこそ、Netflixの『オオカミ』を観て、いまだからこそできる恋愛について考えてみるのはどうだろうか。

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