大ヒットの人気タイトルに意欲的な新作も カプコンが続ける“挑戦”と、その先にある可能性
挑戦が新たなビデオゲームの可能性を切り開く
前述のようにカプコンは人気シリーズを多数抱える一方で、『エグゾプライマル』のような新たな挑戦も続けている。
2023年6月には完全新作となる和風アクション『祇 - Path of the Goddess -』を発表し、ディストピア化した近未来で月面世界を冒険するSFアクションアドベンチャーゲーム『プラグマタ』も開発を行っている。
2012年に発売された『ドラゴンズドグマ』はしばらく休眠していたが、『ドラゴンズドグマ 2』として再始動することが発表されたうえ、『ポケモンGO』のNianticが開発する位置情報ゲーム『モンスターハンターNow』も2023年9月配信予定である。
また、VRにも積極的だ。『バイオハザード ヴィレッジ』ではPlayStation VR2に対応するDLCを配信したほか、今後は『バイオハザード RE:4』も同じくVR対応予定である。
ビデオゲームは常に進化し続けるジャンルなので、このように新しい作品に手を出し続けることは、将来の新しい可能性にもつながる。現時点で『エグゾプライマル』は成功例と言い難いものの、今後シューターやそれに近いゲームを開発する際に、重要なノウハウとなる可能性があるだろう。
カプコンの代表作のひとつ「バイオハザード」シリーズも、ビデオゲームの進化の恩恵を大きく受けている存在だ。初代『バイオハザード』は3Dグラフィックを活用した固定カメラのサバイバルホラーという可能性を提示したし、それまでの慣例を捨て、撃つ楽しさにフォーカスした『バイオハザード4』や、全編VR対応という挑戦を行った『バイオハザード7 レジデント イービル』も新しい可能性を模索することによってもたらされた作品だ。
『ストリートファイター6』もまた、挑戦によって評価されているゲームだ。本作は対戦ゲームであるにも関わらず、ひとり用モードの「ワールドツアー」をしっかりと作り込んでおり、格闘ゲームの難しい操作を簡略化させる「モダン」操作も評価されている。
ビデオゲームにおいて新たな挑戦を行う姿勢は、将来の可能性を切り開くことにもつながる。安定ではなく挑戦を選ぶ姿勢は、ゲームファンにとっても喜ばしいものといえるだろう。
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