『mixi』はZ世代の“居心地のいい場所”になる? MIXI代表・木村弘毅が見据える「SNSとコミュニケーションの未来」

――一方でAI活用には慎重になっている企業もあるのかなと感じていて。MIXIでは、業務上においてAIを使っていくことに関しては積極的に行う姿勢ですか。

木村:かなり積極的に取り入れていこうとしている企業の一つだと思います。『ChatGPT』のような社外のAIだけでなく、自社開発をしているAIもいろんなところで使っているので、AIが介在していない事業は今後、ほぼなくなっていくんじゃないかなと。

――先日、コミュニケーションロボットの『Romi(ロミィ)』に『ChatGPT』を組み込んだというリリースを拝見しました。人間とAIのコミュニケーションは今後どうなっていくと考えていますか。

木村:もっと活性化していく未来があると思います。AIは人工知能なので、人と比べることで「AI=機械」という認識が多くの人にはあるかと思いますが、もしかすると人工知能ではなく“人工人間”のように、ほぼ人間と同等の意思や表現ができる存在になるかもしれませんよね。ナチュラルな人間と人工的な人間のコミュニケーションの見分けがつかなくなる日がきたときには、AIと話をしているほうが居心地が良い、傷つかない、なんて人も出てくるかもしれません。

いやし系会話AIロボット『Romi』(MIXIより)

ーー“傷つかないコミュニケーション”というのは救われる人がいる反面、本当にそれが正しいのかと懐疑的な一面もあるのかなと思います。

木村:そうですね。人と人とのコミュニケーションは傷つくことが多々ありますが、それは自分では想像もしなかったようなことを言われたり、されたりするからです。でも、僕はそれが刺激になると思ってます。そもそもコミュニケーションは“刺激と学び”が必要なので、“傷つかないコミュニケーション”はその刺激の部分が欠落してしまう。そういった面では人間同士の方が楽しいと感じるのではないでしょうか。

――MIXIがさまざまなサービスを展開しながらも、その根底にはコミュニケーションがあるということを改めて実感しました。

木村:私自身、コミュニケーションがすごく重要だと思うし大好きなんです。だからこそMIXIという会社を選んで社長にもなったわけですけれど。これからはMIXIも含め、コロナ禍で沈んでいた空気を新進気鋭のコミュニケーションサービスが一気に打開してくれるといいなと思いますね。いろんなSNSや世の中のコミュニケーションサービスがそういう役割を担ってくれればと思いますし、それが私たちであればなお嬉しいです。

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