ラトナ・プティが“憧れのヒーロー”と共闘を果たすまで にじさんじの冒険家が歩んできた旅路を振り返る
トップランナーになっても変わらぬ姿が人気の理由?
チームとして共闘した関・SPYGEAとはその後も定期的な交流があり、一層仲を深めていくことになった。
大会終了後の二次会では深夜遅くまで『Golf it!』をプレイ、関を“ボコボコ”にしたり、その後に『RUST』ストリーマーサーバー内で同じチームとして活動、ともにギャンブルに明け暮れてみたり、関を中心にそれまで深く関わることのなかった面々とゲームを楽しむ様子を見ることができた。
プティがこれまで語ってきたように、FPSを通じて出会い・別れを繰り返してきた少女がVTuberとしてにじさんじからデビューし、事務所内外の友人とゲームを楽しみながら活動している。突っ込んだ言い方をすれば、彼女にとって本質的な部分は大きく変わっていないようにもみえるのだ。
VTuberやバーチャルタレントというと、アニメルックなビジュアルに加えてファンタジーな世界観を表現するタイプが多数を占める。そんななか、彼女は配信を通じて徐々に自分の出身について明かすことが多く、「東北寄りの北関東」「栃木県にやたら詳しい」といった部分がファンに知られていた。
そんななか、2023年1月には栃木県の地方新聞・下野新聞にプティのインタビューが掲載された。YouTuberにスポットを置いた連載のなかで彼女はインタビューに答え、それによって「本県(栃木県)出身」とハッキリと出身が明らかになったのだ。
〈参考:「人気Vチューバーに聞いた 本県出身ラトナ・プティさん(にじさんじ所属)」〉
そんな彼女は、2021年5月に自身のTwitterにて、抗うつ剤やその他に処方されている薬を服用しており、副作用として体調が不安定であることを公表した。その後、同年10月12日から2022年1月5日の数か月間を活動休止にしていたこともある。
復帰後は病気や処方箋について言及することはほとんどなくなり、毎日のように配信を続けている。その姿を見るとすっかり快方に向かっているように見えるが、序盤にお伝えしたように彼女の不安定な生活リズムは、こういった所も遠因になっているかもしれない。
さて、ここまでラトナ・プティについて紹介してきたが、その在りようについて「いくらなんでも赤裸々にしゃべりすぎていないか?」と感じた読者もいるだろう。実際のところ彼女はパーソナルな部分をリスナーに問い・語りかけるタイプであり、これまでも本稿では紹介しきれないほどの様々なエピソード・体験談を語っている。
かつてはVTuberに対し「アニメルックなキャラクターやバーチャルとは疑似的なものであり、実在しないものだ」といった考え・捉え方もあったはずで、現在でもそういった視点をもつリスナーはいるだろう。
だがAR・VR技術の発展が実際にもたらしたのは、「現実の延長線上にある、拡張された技術・世界観」であった。自分の代替的な存在として2D/3Dアバター(3Dルック/Live2D製のボディ)を利用し、彼女のような配信活動をするVTuber~バーチャルタレントは今後も広まっていくだろう。