にじさんじ・朝日南アカネの卒業に寄せてーー不器用で、旅が好きで、どこまでもファンに真摯だった彼女の足跡を記す

にじさんじ・朝日南アカネ卒業に寄せて

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。

 育成プロジェクト・バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)から多くのメンバーもデビューしており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与えるだろう。

 そんなにじさんじを運営するANYCOLOR株式会社は2023年5月17日、朝日南アカネの卒業および所属していたボーカルユニット・Nornisからの脱退を発表した。

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 午後3時に突如として流れたこの一報は、にじさんじのファンに大きな動揺を与えた。発表のツイートは6万以上のリツイート、15万を超えるいいね、1200万回を超えるインプレッションをはじき出した。何より驚くべきは、リアルサウンドやVTuber~VR関係の専門メディアのみならず、ゲームメディアや芸能メディアまでもが次々に彼女の卒業を報じたことだ。あらためて彼女のネームバリューや将来性に加え、にじさんじという屋号がいかに強い存在感を放っているかを教えてくれるものだった。

 もしかすれば、このような数字的な側面で彼女の卒業を語ってもしょうがないのかもしれない。朝日南アカネと同期にデビューした、西園チグサ、北小路ヒスイ、東堂コハク、周央サンゴら「世怜音女学院」の4人を筆頭に、TwitterやYouTube配信などでにじさんじの同僚らからかなりの言及があった。

 同期以外のにじさんじの同僚たちはもちろん、同じくインターネットシーンで活躍する人たち……ホロライブなど他事務所に所属するタレントだけでなく、プロゲーマーやeスポーツアナウンサーなどにも、シーンを超えて大きなショックを与えた。各SNSでは、その後数日にわたって「朝日南アカネが卒業する」という話題で持ち切りであった。

 ライバー活動と学業と生活との両立が難しくなったことにより、卒業を決めたという彼女。今回の記事では、その足跡を記そうと思う。

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