伸び悩んで「温泉チャンネル」から「心霊動画」にシフト。原田龍二が語る“YouTube活動の本音”

原田龍二が語る“ YouTube活動の本音”

 俳優、MC、タレント……枠にとらわれない活動を続ける原田龍二が、YouTubeで多くの人の心を掴んでいる。

 チャンネル登録者数20万人を突破した『原田龍二の「ニンゲンTV」』(2023年5月17日現在)にて、主に全国各地の心霊スポットを巡ったり、有名心霊チャンネルとコラボしたりと、幽霊と真摯に向き合う原田。

 “心霊”をテーマにすること自体は特段珍しいことではないが、同チャンネルの魅力は、なんといっても原田の普通じゃない“ニンゲン性”が露わになっているところだ。霊障(霊的な障害)が起きても彼はまったく動じない。そのあくなき探究心で幽霊に会いにいくーー。

 なぜ、視聴者は原田龍二に魅了されているのか。話を聞いてみると、ただただ純粋でまっすぐにYouTubeと向き合う“裸一貫”の胸中が垣間見えた。

心霊チャンネルに移行した理由は「ストレス」と「おばけへの想い」

ーー2020年5月にYouTubeチャンネルを始動されました。はじめたきっかけを教えてください。

原田龍二

原田:(コロナ禍もあって)タレント、俳優、歌手問わず、いろんなジャンルの方が、YouTubeに参入していた中、「原田龍二=温泉好き」ということから、サイバーエージェントさんに「温泉に特化したYouTubeをやりませんか?」と声をかけていただいたのがきっかけです。

ーー温泉から心霊チャンネルに移行した理由は何だったんですか?

原田:温泉チャンネルを1年ほどやっていたんですけど、(コロナ禍で)実際に温泉に入れないことがあって、だんだんストレスになってきちゃったんです。数字も伸び悩んでいたし、限界を迎えたときに、子どものときから小さな灯火としてあった「おばけが見たい」という気持ちを思い出しました。

 僕、いとこのお兄ちゃんから音楽や映画など、いろいろ影響を受けているんですけど、そのお兄ちゃんが、つのだじろうさんの漫画『恐怖新聞』、『亡霊学級』、『うしろの百太郎』を持っていて。小学校の高学年のときにその漫画を手にしたのが、(心霊との)物理的な出会いですね。そのお兄ちゃんは『恐怖新聞』の朗読テープも持っていて、僕はそれを夜な夜な聴くような少年でした。

 今回、YouTubeをリニューアルするにあたって、僕の中にあった「おばけが見たい」という想いに焦点を当てました。自分が好きなもの、熱を持っているもの、長く継続できるものがいいなと思ったんです。

「不謹慎だと思うけど、心霊ロケの日はワクワクしている」

ーーこのチャンネルでは、どんな心霊スポットでも、怖がることなくどんどん突き進む原田さんが印象的です。

原田:単にドキドキ・ワクワクしたいだけなんですよね。本当はじっくり吟味して、探索しなければいけないんですけど、やっぱり「おばけが見たい!」という気持ちが先行してしまうんです。心霊スポットは暗くて何も見えないですし、僕も怖いんですよ?

ーーでも、好奇心旺盛な“少年”の部分が出てきちゃうと。

原田:そうですね。僕が10代だった1980年代は、心霊、オカルト、超能力といった番組が量産されていて、初めてオカルトの世界に触れた感覚が、今でも変わらずに残っています。

 あと、その好奇心は、人とは違う方向に向いているのかもしれません。『恐怖新聞』などは別ですが、子どものころから天邪鬼なところがあって、少年漫画誌をまったく読んでこなかったんですよ。昔から流行っているものに対して興味が湧かない。みんなが見てないところ、見られないところを見たくなっちゃうんです。そんなこともあってか、不謹慎だとは思うんですけど、心霊ロケの日は、ワクワクしていますね。

ーー(笑)。動画には、降魔師(ごうまし)の阿部吉宏さんがパートナーとしてご出演されています。出会いを教えてください。

原田:僕が2018年に主演した映画『我王伝』で初共演しました。撮影中、阿部さんが、ある役者さんに「生き霊がついてますよ」と声をかけたんです。いままでそんなこと言っていなかったので「不思議な人だな」「胡散臭いな」と思ったんですけど、阿部さんは「最近、車買いませんでした? その車に生き霊がついているので、体の具合が悪いはずです」と……。その役者さんは車を買ったあと、本当に肩の痛みがとれなかったらしく、そこで阿部さんが除霊されているのを目の当たりにしました。

 今回、心霊チャンネルにするときに、“阿部さんと一緒に行ったら面白くなるんじゃないか”と思い、数年ぶりに連絡を差し上げたのが始まりです。

ーー阿部さんは『ニンゲンTV』の中でも、非常に大きな存在なのではないでしょうか。

原田:僕ら出演者やスタッフに霊障が起こったときに除霊してくれたり、心霊スポットで撮影したカメラや携帯電話をお祓いしてくれたりするので、我々の動画には『お祓い済みです』という案内が出せるんです。テレビの心霊特番を観ていて、具合が悪くなる方もいらっしゃる中、阿部さんが除霊してくれているのは安心ですし、ロケ中にも腑に落ちる解説をしてくださるので、すごく助かっています。そのあたりは、ほかの心霊YouTubeチャンネルと大きく違うところだと思いますね。

 あと、僕には霊力がないし、怖がって大袈裟に「ワー!」とかやらないんで、(それだと観てる人が)まったく面白くないじゃないですか。要するに阿部さんがいないと、僕の感性が浮き彫りにならないんです。

ーー阿部さんがいることで、詳しいことが分かりますし、いわゆる“普通”とは違う原田さんの魅力が露わになるんですね。実際に不思議な体験をしたことはありますか?

原田:自分の中で自慢できる体験はひとつもないですね。ただ、阿部さんと「滝不動」という山形の最強心霊スポットに行ったのですが、この山形編自体がひとつのストーリーのようになっていて。阿部さんの見解では、冒頭から我々に帯同している修行僧の霊がいたらしいんです。やがて、修行僧が先回りして次の現場で待ち構えるようになって……。

 最後のゴール地点は、立ち入り禁止で結局入れなかったのですが、その付近でゴールを迎えたとき、その修行僧が僕に「いつか比叡山で待ってるぞ」とメッセージをくれたらしいんです。

 阿部さんの見解では、その修行僧というのが、僕の前世、もしくは守護霊ではないか、と。どちらにせよ、僕を導く存在。阿部さんを通して、メッセージを受け取れたのは、不思議な体験だったなと思います。

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