那須川天心がYouTuberを“卒業” チャンネルリニューアルから考える、YouTubeの役割の変化
2月2週目、那須川天心がYouTuber卒業を宣言し、チャンネルのリニューアルを行ったことが大きな話題となった。格闘家として第2章を歩み始めた那須川が、同タイミングでYouTubeの運営方針を変更した理由は何なのか。この記事では那須川の発言からYouTubeの役割の変化について考えてみたい。
キックボクシング界の神童と呼ばれた那須川天心がYouTubeで「那須川天心チャンネル」を開設したのは2020年6月のこと。ドッキリなどYouTuberらしい企画にも挑戦し、人気YouTuberらとコラボするなど精力的に活動。先月27日には開設当初から目標としていたチャンネル登録者数100万人を達成し、気付けばYouTubeでも人気者になっていた。
今回注目を集めたのは、那須川が7日に投稿した動画で「この動画をもってYouTubeの投稿を終わりにしたいなと思います」と発言したこと。那須川は「(自身のことを)みんなに知ってもらいたい」という理由からYouTubeで活動を始め、エンタメ動画を投稿してきた。人気YouTuberグループ「チャンネルがーどまん」のがーどまんと親交が深いことはファンの知るところだが、そのがーどまんと知り合ったのもYouTubeがきっかけだったなど、出逢いもあったという。YouTubeを通し「もっと若い人に知ってもらえた」とも述べており、YouTubeでの活動について「本当によかった」「楽しかったっす!」と振り返っている。
しかし那須川の「YouTubeの投稿を終わりにしたい」という言葉は、文字通り今後YouTubeで動画を投稿しないというわけではない。正しくいうと、“YouTuber那須川天心”が終わるということだ。
なぜYouTuber那須川天心を辞めるのか。これまで世間の認知度を上げるために動画を投稿してきた那須川だが、本人いわく昨年6月に開催された『THE MATCH』の一戦でその名前が広がったという。今ではどこに行っても声をかけられるという状態になったようで、本人的には目標を達成し「やりきった」という感情なのであろう。「自分がやってきたことに対してはよかったなと思ってます」と述べている。
先月15日、那須川はキックボクシングからボクシングへ転向することを発表。目標であった認知度アップとチャンネル登録者数100万人を達成したいま、「よりリアルというか、自分をしっかり知ってもらいたい」というフェーズに突入していると話す。そこで那須川がたどり着いたのが、ファンクラブ「TEAM TENSHIN」の開設とYouTubeのチャンネルリニューアルだ。YouTubeに関しては、エンタメ系チャンネルからリニューアルした後には、試合前のドキュメンタリーや試合の動画を投稿していくとし、YouTubeの使い方を変える考えを明かしている。
この動画が投稿された翌日の8日には「TEAM TENSHIN」に改名したチャンネルで、1本目となる動画を投稿した那須川。那須川の発言どおり、これまでのチャンネルの動画とはガラッと印象を変え、ボクシング転向に対する思いを語っている。ちなみに那須川によると、今後も声がかかれば友人などの動画には出演することもあると述べており、ほかのチャンネルではこれまでの動画のようなYouTuber那須川の姿を見られる可能性はあるようだ。
那須川のケースを踏まえると、YouTubeはフェーズによって異なる役割を担えるプラットフォームだと考えられる。その役割は、「有名になりたい」「知名度を上げたい」という夢を叶えるための役割や、過去の貴重なシーンを残しておくアーカイブとしての役割、そして那須川が述べたような「よりリアルを伝える」役割など多岐にわたる。テレビとは異なり動画クリエイターが編集の権限をもつYouTubeは、使い方次第でその役割を自由自在に変えられる、まだまだ伸び代のあるプラットフォームといえそうだ。
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