『Weekly Virtual News』(2023年5月29日号)
AppleがついにVR進出? 盛り上がりを見せるXR・韓国VTuber・バーチャルファッション業界
Apple、ついに動くか。うごめくXR業界
日本時間で6月6日に開催される、Appleの開発者カンファレンス『WWDC23』へ、北米メディアの『Road to VR』と『UploadVR』が招待されたことが明らかになった。両メディアは、その名の通りVR/XRに精通したメディアである。
XR系メディアがAppleの開発者カンファレンスに呼ばれるのは、前例があまりないとされている。そして今回、この2メディアが招待されたということは……錯綜するうわさが、ついに現実のものになるかもしれない。「Apple、VR業界進出」という報道が出るかどうか。およそ一週間後の世界に期待したい。
ARグラス『Nreal Air』などを展開するNrealも、にわかにブランド名を「XREAL」と改称した。『Nreal Air』も『XREAL Air』に名を改めたとのことだ。この唐突な展開がなにを意味しているのか。XR業界の今後の動向には、全体的に注視が必要だろう。
VRを舞台に盛り上がる韓国VTuberカルチャー
直近は、韓国のVTuber業界がおもしろい動きを見せている。特に顕著な例がバーチャルアイドルサバイバル番組『少女リバース』だ。K-POPアイドルたちが素顔を隠し、バーチャルアバターとバーチャルな名義でアイドルとして、デビューを目指してしのぎを削る企画だ。
先日、この企画で最後まで勝ち抜いた5名によるユニット「Feverse」がデビューを果たし、5月27日にデビューショーケースが配信された。1stデビューアルバムもリリースされ、いよいよ本格始動といったところだ。
「少女リバース」の興味深い点は、『VRChat』を舞台に、『VRChat』で利用される人気市販アバターのカスタムモデルを各アイドルが利用しているところだ。韓国におけるこうしたカルチャーの代表例といえば、韓国の著名ストリーマー・woowakgoodが手掛けるVRアイドルグループ「異世界アイドル(ISEGYE IDOL)」だろう。2021年末の公開時にほどなく100万再生に届き話題となったデビュー曲MVも、いまや1500万再生間近となった、韓国を代表するバーチャルタレントのひとつだ。
そんな「異世界アイドル」と、woowakgood率いるストリーマーグループ「WAKTAVERSE」はいま、VRChatを舞台に「バーチャルボクシング大会」を開こうとしている。「WAKTAVERSE」「異世界アイドル」の選抜チームと、公募により集まったVTuberによるボクシング大会「バーチャルファイター」だ。
日本の著名なバーチャルボクシング大会「VRCボクシング大会」の会場を用い、文字通り己の拳で競い合うという本企画は、本放送の初回同時接続数が約4万にのぼったとされている。VRChatを舞台とする企画としては異例の数値であり、そうした面からもにわかに注目を浴びている。
「VRCボクシング大会」も、スタンドアロンのVRボクシングゲームに比肩するクオリティも相まって直近での注目度が上がっている団体のひとつだ。VR生まれの熱量あるカルチャーが合流を果たし、大きな波を生み出そうとしている光景は、さながらVTuber業界の黎明期を見ている心地にさせられる。ちなみに、本番はもうちょっと先で、いまは両チームとも日夜練習配信をしている最中なので、いまからでも十分追いつける。