もうデジカメは必要ない? ソニー新型フラッグシップスマホ『Xperia 1 V』の高画質写真・動画に感じたこと

 ソニーの2023年フラッグシップスマートフォン『Xperia 1 V』が5月11日に発表された。早速試用してみたので、カメラ機能を中心にその性能をお伝えしていく。なお今回テストしたモデルはグローバル版(香港販売モデル)のため、日本モデルと通信性能など細かい仕様は異なるが、カメラなど基本的なスペックは同等だ。

高級感を増したボディーにトリプルカメラを搭載

 『Xperia 1 V』はスリムなボディーに強力なプロセッサを搭載、新しくなったカメラセンサーを採用するなど、ソニーのフラッグシップモデルというだけではなく、他社の上位モデルとも十分互角に戦えるハイスペックなスマートフォンだ。フロントカメラをベゼルの上に配置しているためディスプレイ表示を遮る邪魔なものも無く、動画コンテンツの視聴も高い没入感を得られる。またゲーム用途にも十分対応するなど、映像やエンターテインメントを極めたソニーらしい製品と言えるだろう。

基本スペックやカメラ性能は非常に高い。スリムな本体は持ちやすい

 チップセットにはクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を採用。ディスプレイは6.5インチでシネスコサイズの21:9の縦横比となる。バッテリーは5000mAhで30Wの急速充電に対応。30分で50%の充電が可能だ。前述したようにフロントカメラはディスプレイの外に1200万画素を配置する。

6.5インチ21:9のディスプレイ

 背面の仕上げは表面のざらつきを高め、滑り止め効果と共に高級感を両立させている。カメラ利用時に片手で持ってもしっかりと保持されると感じた。フロント面と共に背面はCorning Gorilla Glass Victus 2を採用し強度も増している。カメラは4800万画素の広角(24mm)、1200万画素の超広角(16mm)、1200万画素の光学望遠(85-125mm)の3つを搭載する。

ざらつきある質感で高級感も増した。トリプルカメラも搭載

 本体側面にはボリューム、電源に加えカメラ用のシャッターボタンも配置。シャッターボタンではスクリーンショットも撮れるようになった。本体サイズは165 x 71 x 8.3mm、重量は187g。ハイエンドモデルながらスリムかつ軽量で持ちやすい。

シャッターボタンがあるのはXperiaの伝統だ

 ハイエンドモデルながらも3.5mmのヘッドフォン端子も上部に備えている。下部のSIMカードトレイはピンが不要で爪先で開閉できるのも便利だ。またスピーカーの穴は見えないものの、フロント側にはフルステージスピーカーを備えており、低音から高音までしっかりとした音を奏でてくれる。

ヘッドフォン端子やピン不要のSIMカードトレイ

高級デジカメレベルのカメラ機能

 グローバルモデルにプリインストールされているアプリはAndroid標準のものに加え、ソニーのカメラ系アプリなどとシンプルな構成になっている。カメラ系アプリはPhoto Pro、Video Pro、Cinema Proと3つも用意されている。一般的なスマートフォンは、1つのカメラアプリで写真や動画を撮影するが、『Xperia 1 V』は用途に応じてよりプロフェッショナルなアプリを使うことができるのだ。

グローバルモデルのプリインストールアプリ

 3つのカメラのうち広角カメラは2層トランジスタ画素積層型センサーを新たに採用した。従来のセンサーよりも光を多く取り込むことが可能で、特に暗所撮影時のノイズ低減性能も高められた。またピクセルビニング技術により、センサー上の4画素を1画素とすることで、4800万画素を1200万画素相当で撮影することにより、フォーカスの高速化や暗所撮影性能を高めている。

 写真撮影に特化したPhoto ProはBASICモードで手軽に写真の撮影が可能で、望遠倍率の切り替えもレンズごとに0.7倍、1倍、3.5−5.2倍とわかりやすい。マニュアルモードに切り替え高度な撮影も可能だ。

Photo Proの撮影画面

 Video ProはVlogなど動画を手軽に撮影できるアプリだ。手軽とはいえ細かい設定も可能であり、マイクからの音声レベルを表示するなど本格的な撮影を行うことができる。『Xperia 1 V』では縦向きのユーザーインターフェースも備え、最近流行りの縦動画も楽に撮影できる。

Video Proの撮影画面

 Cinema Proはさらに本格的な動画を撮影するためのアプリだ。人物の目をトラッキングする瞳AFを前モデルから引き続き搭載。あらかじめプリセットしたカラーパターンを利用できるCreative Look、人の肌の色をナチュラルに再現するS-Cinetone for mobile、ピントがあった部分を特定の色で表示するピーキング表示など、スマートフォンの動画撮影としては十分すぎる機能も搭載。ライブ配信にも対応しチャットの表示も可能になった。これらの機能はVideo Proでも利用できる。

Cinema Proの撮影画面

関連記事