1年前から水面下で準備していた「自分にとっての重大発表」のためにSNSでの活動をすべて休止すると公表していたヒカキンが、6日間の沈黙を破って動画を投稿。その重大発表の中身が、自身が手掛けたカップラーメンを発売することだったと種明かしをした。

　事の発端は、23年4月21日にYouTubeチャンネル「HikakinTV」で公開された動画。ヒカキンはYouTubeやTwitterをはじめとしたすべてのSNSでの発信を「お休みさせていただきます」と伝えた。活動休止の理由については「ご報告したいことの最終準備で余裕がなくなってしまい、それだけに集中したいから」と言い、肝心の“ご報告したいこと”の詳細までは語らなかった。活動開始から16年間、これまでまともに休まなかったYouTuberのパイオニアのまさかの休業宣言に対し、ネット上では様々な憶測が流れていた。

　そして4月27日。ヒカキンは「ご報告」と題して公開した動画で、「わたくしヒカキン、はじめて自分自身のブランドを立ち上げました」と報告した。ブランド名は「HIKAKIN PREMIUM（ヒカキン プレミアム）」。同ブランドより、初の商品として「みそきん　濃厚味噌ラーメン」「みそきん　濃厚味噌メシ」が展開されるという。製造協力は日清食品で、5月9日からセブンイレブン全国店舗（※一部店舗を除く）にて順次販売が開始されるとのことだ。

　商品を手に持つヒカキンは「僕が今日にいたるまで約1週間くらい、はじめてネットの活動をすべてお休みさせていただいたのは、この『みそきん』を発表するための準備でした」と改めて説明した。

　自身初のブランド立ち上げということで、ヒカキンの気合の入れようは相当なもの。まず、本動画内では「みそきん」の宣伝用CMが流されていたのだが、このCMを制作する資金として1200万円以上を自腹で支払ったという。さらに、「みそきん」発売を記念したオリジナルTシャツの発売に、キャンペーンとして総額500万円分のAmazonギフトカードのプレゼント企画なども実施すると告知した。

　ヒカキンがここまでするのにはわけがある。彼にとってラーメンは「人生で一番大好きな食べ物」とのこと。幼少期からラーメンを好んで食べ続け、東京に上京したての辛かった下積み時代も「大好きなラーメンに救われた」というほど、思い入れの強い食べ物なのだとか。そんな背景からヒカキンは取材などで「YouTubeをやっていなかったとしたら就きたかった職業は？」と聞かれる度に「ラーメン屋」と答えていたそうで、「YouTube以外で叶えたかった夢が自分のラーメンを出すこと。その夢がやっと叶いました」と、感慨深げに語っていた。

　加えて動画では「みそきん」ができるまでの1年間に密着したドキュメンタリー映像も紹介された。そこには、何度も会議や打ち合わせ、試食会を重ねつつ、自ら商品ロゴを毛筆で描いたり、パッケージの写真撮影に臨んだりと、“夢”の実現のために奔走するヒカキンの姿が。

　YouTuberがアパレルやコスメといった自分のブランドを始動させることは、今や決して珍しいことではない。しかし、一つのプロダクトにここまで時間と労力、自費を投じるケースは稀だ。日清食品にセブンイレブンという業界最大手を巻き込んでいることからも、ヒカキンの今回の発表からは、YouTuberの代名詞的存在として、満を持してのブランド立ち上げとあって、「絶対に成功させる」という気概を感じずにはいられない。

　そんなヒカキンが全力で作った「みそきん」がいったいどんな味なのか。発売を楽しみに待ちたい。