連載:著名人に聞く「ゲームと音」の重要性(第四回:OZworld)
OZworldも認める“音で変わるゲーム体験“ 「いろんなゲームで臨場感を深く味わいたい」
ゲーミングギアが多く普及し、プロゲーマーや配信者のみならず、日常的にハイエンドなガジェットをあらゆるプレイヤーが使用するようになった近年。ゲームにおける”音”について、ゲームを愛するタレント・アーティストたちはどのように考えているのか。
2001年にデンマーク・コペンハーゲンで創業された、品質、技術、機能性にフォーカスするゲーミングギアブランド『SteelSeries』とタッグを組んだ連載企画『著名人に聞く「ゲームと音」の重要性』。第四回には、アーティストとしてプロeスポーツチーム・FENNELに所属するなどシーンで活躍しているラッパーのOZworldが登場。彼のゲーム遍歴やラッパーらしいゲームとの触れ合いをはじめ、ゲームと音へのこだわり、『SteelSeries』の人気ゲーミングヘッドセット「Arctis Nova」シリーズのインプレッションなどを語ってもらった。(編集部)
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「声がしっかり前に出てくる」 ゲームだけでなく、音楽体験もリッチにしてくれる多彩なプリセット
――まずはOZworldさんとゲームの出会いや、ゲームにハマるきっかけとなったタイトルを教えてください。
OZworld:一番最初にゲームに触れたのは、小学校1年生くらいのころ、誕生日にもらった『ゲームボーイアドバンスSP』と『マリオ』からでした。そこから『SP』でゲームを遊ぶようになり、小学校の友だちの家で『NINTENDO64』の『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』で遊んだりもしていましたね。
あとは、小学校4年生のときに親戚のおじさんが『プレイステーション・ポータブル』(以下、PSP)で『モンスターハンター』をやっていて、そのおじさんのことが大好きで、どうしても一緒にやりたかったんです。
どうやったら『PSP』を買ってもらえるのか考えていたんですけど、当時ルービックキューブにハマっていた母親がある日「2面揃えられたらなんでも好きなもの買ってあげる」って言ったんですよ。それを聞いて、母親の影響で自分も1面だけ揃えられるようになっていたので、めっちゃ頑張って。あと1マス揃えれば!というところまで辿り着いたんですけど、そこからズレるのが怖くなっちゃって、1時間くらい動かせなくなって(笑)。結局、バレないようにシールを張り替えて『PSP』を買ってもらった、という思い出があります(笑)。それで『モンスターハンター』をゲットして、ほかにもいろんなゲームをやっていきましたね。
「プレイステーション」シリーズだと、中3のときに一緒にサバゲーをしていた先輩が『The Last of Us』のオンライン対戦をやりたいと言って、めちゃくちゃ安い値段でPS3を譲ってくれたんです。それが初めての“テレビでやるゲーム”でした。それで『PSP』のころからハマってた『Grand Theft Auto』も買って。『PS3』から『PS5』までずっと遊んでいるので、一番長くやっているゲームは『Grand Theft Auto 5』かなと思います。
――『Grand Theft Auto』はヒップホップ的な要素も強いですよね。それもハマる要因になったんですか?
OZworld:そうですね。まさにそのときは好きな車を改造して、ヒップホップをかけながら友達と街ブラする、みたいなことを楽しんでました。たまにフリースタイルとかをしていた時期でもありましたね。
――どちらかといえば最近はいわゆる『FPS』をやることが増えている印象がありますよね。
OZworld:でも、ストーリーがあるゲームもマジで好きなんですよ。最近は、もともと原作も大好きで、ずっと待ちわびてた『ホグワーツ・レガシー』にハマってます。あとはサンドボックスゲームというか、『DayZ』も人生でめっちゃハマったゲームです。現実世界のご飯よりも『DayZ』の食料のことを気にするくらい、いわゆる“廃人プレイヤー”でしたね(笑)。もう住んでましたもん。
――あの手のゲームはハマると無限に時間が溶けますもんね(笑)。逆に、苦手なジャンルなどはあるんでしょうか?
OZworld:RPGが全然できなくて。あまりやったこともないですし、なんとなく続かないんですよ。でも、基本的にあまり好き嫌いはしたくないというか、理想を見つけたら絶対に好きになると思うんです。RPGなんて、面白いに決まってるじゃないですか。でもまだ楽しい部分やハマる感覚が分かってないのかなと。
――わりとオールラウンドになんでもプレイしたいタイプなんですね。ジャンルも幅広いですね。
OZworld:すぐ別のことをしたくなる性格というのもあるかもしれないです。それこそ、本当に最近、友達とそういう話になったんですよ。自分以外の4人はひとつのゲームを集中して遊ぶ人で、『Apex Legends』なら『Apex Legends』をずっとできるタイプ。ただ、自分ひとりだけめっちゃハマっているゲームでもどこかで一気に冷めちゃう性格なんです。唯一『Grand Theft Auto』だけは、自分でくだらない遊びを作り始めるくらいハマってたんですけど。
――その感覚、個人的にもすごく分かります。クリアがあるゲームだと1周クリアしちゃったらすぐに冷めて次にいく、みたいな。あまりやりこまないんですよね。
OZworld:そうです(笑)。自分はそのパターンに似た感じで、3つくらいのゲームを常に回して遊んでます。
ーーゲームの音楽についてもぜひお伺いしたいんですが、ふとゲームをプレイしていて「あ、この音楽好きだな」と思ったりすることもありますか?
OZworld:ゲームに限らず、映画なども含めて、音に関してはやっぱりめちゃくちゃ反応します。音楽にフォーカスして聴いているというよりかは、遊んでいて「良い!」と思ったら調べるんです。
サントラやBGMに近い感じですけれど、『Horizon Zero Dawn』はめちゃくちゃ好きでした。ゲームって、基本的に壮大な音楽がよく使われてるじゃないですか。でも、全部違う印象を受けるし、それも込みで全部面白いなと感じました。
――そういう意味では、リスニングの環境にも気を遣われていると思いますが、普段のリスニングやゲームをする際はどんな機材を使っていますか?
OZworld:普段は『AirPods』を使っています。ヘッドホンは『Beats by Dr.Dre』を使ったりしていたんですけど、最近はいろんなところに行くので持ち運びに便利な『AirPods』の出番が多いです。
普段ゲームをするときは、FENNELの仏さんがプレゼントしてくれた「ALIENWARE」のものを使っています。自分のアイデンティティの中に、「エイリアン」や「宇宙人」というのがあって、それを知っていてプレゼントしてくれたんですよ。
――今回、SteelSeriesの『Arctis Nova Pro Wireless』で音楽を聴いてもらいました。ファーストインプレッションはいかがでしたか?
OZworld:これまでゲーミング用のヘッドホンで音楽を聴いたことはあまりなかったんですけど、すごくいい音だなと思いました。最近は『AirPods』だったのもあって、ヘッドホンならではの空間の広がりを感じました。
――これは『Arctis Nova Pro Wireless』に限らず使えるんですが、独自ソフトウェア『Sonar』のイコライザー機能を使うと、『Apex Legends』や『Fortnite』など、特定のゲーム用にチューニングされたプリセットも使えるんですよ。
OZworld:ほんとだ、しかもプリセットの種類もめちゃくちゃあるんですね。
――そうなんです。足音が聞こえやすくなったり、聞こえなくて良い音は逆に落としたりもできます。音楽用のプリセットもありますし、自分でオリジナルの設定も細かく作れるんです。試しにいくつか使ってみましょうか。
OZworld:めっちゃ便利ですね。たしかに、中高域をブーストする設定にすると声がしっかり前に出てきます。
『Apex Legends』の設定にすると足音も銃声も聞こえやすいです。「ここに向かって撃ってきてるな」と分かるし、より臨場感も高まりますね。
――FPSなんかは特にそうですが、やはり足音や銃声による索敵は戦いの命運を分けますよね。
OZworld:マジで大事ですよね。撃ち合いのスキル以前の問題というか、どこにいるか把握ができるだけでかなり違いますよね。ここまではっきり聴こえてくれたら、さらに強くなれるかもしれないですね。FPS以外のゲームはどうなんですか?
――たとえば、先ほど名前を挙げていた『Horizon Zero Dawn』とか、音楽や効果音が作り込んであるゲームだったら、映画用のプリセットに変えてあげると……より壮大な音で楽しめるので、そんな使い方もアリだと思いますよ。
OZworld:いいですね。これはちょっとFPS以外のゲームでも使ってみて、臨場感をより深く味わいたいです。