『mocopi』が「AR背景モード」や「VRoid Hub」からのアバター読み込みに対応! 発売後も進化が止まらない

 ソニーから発売中のモバイルモーションキャプチャー『mocopi』。6つの小型センサーからなるボディトラッキング用のプロダクトで、アバター初心者でも使える手軽さや、スタイリッシュなデザインで話題沸騰中の製品だ。そんな『mocopi』にこのたび、2つの大きな新機能の追加と、それに付随して3つのUI・機能アップデートがおこなわれる。

 なお、今回はiOS版のみ先行してアップデートが配信され、Android版については後日配信予定となる。

「AR背景モード」

『mocopi』

 新たに追加された機能のひとつが「AR背景モード」だ。こちらはスマートフォンのカメラで映した映像をそのまま背景に使用できるというもの。動画の撮影や写真の撮影はもちろん、アバターの位置も細かく調節できるので、あとからPCの映像編集ソフトを使って合成したり、クロマキーで背景を透過させるといった手間が無くなる。

 今回のAR背景モードの追加にあたって、アバターのポジションをワンタップでリセットできるボタンも追加された。背景やスマートフォンの設置場所を決めてから、リセットボタンをタップするだけで画面の中心にアバターを配置できるので、構図の切り替えや撮影場所の調整などがこれまで以上にやりやすくなった形だ。

 これまでVRアバターを用いた野外撮影は、機材の準備、撮影場所の選定、実際の撮影をおこない、あとからモーションと背景を合成する、といったように複数の工程にまたがるのが当たり前だった。しかし、今回のこの機能アップデートによって真の意味で「いつでもどこでも」撮影がおこなえるようになるだろう。カバンのなかに『mocopi』を忍ばせておけば、TwitterやTikTokなどのちょっとしたショートムービー程度であれば、スマートフォンと『mocopi』だけで撮影から投稿までが出来るのだ。

 通常、アバターを活用した「旅行動画」などは膨大な手間がかかるのが相場であるが、今後は『mocopi』によってそういったコンテンツがどんどん増えるかもしれない。アバターデビューにも最適なプロダクトなので、興味関心のある方はぜひ検討してみてほしい。

「VRoid Hub連携」

「VRoid Hub」(プレスリリースより)

 アバターデビューといえば、そちらに関する敷居も大幅に下げてくれそうな新機能が今回追加されている。それが「VRoid Hub」との連携だ。VRoid Hubとはピクシブ社が提供する3Dアバター用のプラットフォームで、所有する3Dモデルデータのアップロードや、共有をおこなえるサービス。同サービスと連携したアプリでは、登録されたモデルをアプリ上に呼び出すことも可能で、このたび『mocopi』もめでたく連携に対応した。

「VRoid Hub」サービス概要(プレスリリースより)

 自分だけのオリジナルアバターを使いたいという方も安心してほしい。おなじくピクシブ社が提供する「VRoid Studio」を使用すれば、モデリングの知識がなくとも、まるでゲームのキャラクター設定などのように手軽にオリジナルアバターを作ることができる。もちろん、こちらもVRoid Hubへのアップデート、連携機能を用いて『mocopi』で使用することが可能だ。

「VRoid Studio」の作例、「千駄ヶ谷渋」(プレスリリースより)

 『mocopi』の開発チームに話を聞いていても、彼らの念頭にあるのは「自分たちもVRコミュニティの仲間に入れてもらうこと」ということ。今後もこうした既存ソフトウェア・サービスとの連携や、ユーザーが喜ぶアップデートが追加されそうだ。引き続き注目したい。

■関連リンク
ソニー「専用アプリ『mocopi』(iOS版)をバージョン1.1.0にアップデート」
ソニー広報note「『mocopi』アプリのアップデートでAR背景とVRoid Hubからのモデル連携に対応!」

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