赤字続きのインフルエンサー事務所「VAZ」を立ち直らせた代表・谷鉄也が語る“生き残るクリエイター・マネジメントの共通項”

鶴の一声により「めるぷち」オーディションをコンテンツ化

――体制変更後のVAZにとって、「めるぷち」と「MelTV」のリニューアル及び成功が大きなターニングポイントになったと感じています。施策開始から軌道に乗るまでに苦労した点があれば教えてください。

谷:僕自身はあまり苦労してないんですよね(笑)。基本「めるぷち」などの企画に僕が口出しすることはありません。ただ「めるぷち」のオーディションの様子をコンテンツ化してくれというお願いはしました。オーディション風景の随所をコンテンツとして撮っていましたが、応募者の皆さんはよく泣いていました。最終審査でファイナリストたちと現役メンバーが会えば泣くし、オーディションでうまく喋れなくても泣く。受かっては泣き、落ちては泣き……泣いてばかりなのですが、そこにはドラマがありますので、僕が見ていても非常に感動的だと感じました。実際、オーディション動画をアップしたら、すぐに再生回数が650万回を超えました。

――小中学生の「めるぷち」世代の子は、若いからこそマネジメント面で難しい部分もあると思います。

谷:彼女たちは、ある意味スターではありますが、まだ本当のスターとは言えません。彼女たちは同い年くらいの女の子にとっては大スターであり、テレビに出ている人よりもすごい存在だと思われている。でも実際の社会的認知やギャラの部分でスター並みというわけではありません。再生回数がある程度取れてYouTubeやTikTokのフォロワーも増えたけれど、スキルや知名度、実績含めて独り立ちしたタレントとはいえないんです。そこには大きなギャップがあるので、本物のスターになっていくために、我々がテレビや雑誌の仕事、タイアップ案件、年間スポンサーなどを取りながら、成長を手助けすることが大事になります。YouTube一本でやっていくのであれば、色々な道があると思いますが、プラスして、他のことにも関心や目標を持っているクリエイターに対しては、トータルで様々なメニュー提案をできるのが、VAZのマネジメントの強みの一つになっていると思います。

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