生き残る鍵はショートか? ぷろたんの「二極化」発言からYouTuberたちの今後を考える
昨今話題になっている「YouTuberの二極化」。今月には人気YouTuberのぷろたんが収益が5分の1になったことを明かし、YouTubeの広告収益や二極化について言及したことが大きな関心を集めた。今回は今後どのようなYouTuberが生き残れるのか、YouTubeの動きを見ながら考察してみたい。
ぷろたんがYouTubeの収益について「5分の1」になったと衝撃の告白をした。理由は「広告のつけ忘れ」という痛恨のミスだが、動画内では「今、ユーチューブってすげえ収益下がってるんですよ」と暴露。「このままで人生大丈夫か?」と、将来の不安を吐露している。すると、ぷろたんは今後のYouTuber界について、「リアルにYouTubeやめてふつうに企業に就職するYouTuber」と「色々試行錯誤して大金持ちになるYouTuber」の二極化が進むと述べ、これが大きな話題を呼んだのだ。
ぷろたんはYouTubeの運営だけでなく、プロテインのプロデュースやバスクチーズケーキ店のオーナーも務めており、ビジネスマンとしての一面ももつ。YouTubeで稼げなくなったとしても稼ぐ手段はあるわけだが、それでも一時はYouTubeの収益だけで2000万円を稼いだぷろたんにとって、広告収益の低下はかなりの痛手だと考えられる。
アメリカレジェンドグループである
Dude Perfectを再生回数でこえることができました。
10年前くらいから目標にしてたグループ‼️
このグループがあったからスポーツ動画をつくりました。
鬼ごっこやスポーツで一緒に動画撮りたいな。
ずっとリスペクトしてます。
みんないつも見てくれてありがとう🥳✨ pic.twitter.com/NpuJaZBHZl— シルクロード【Fischer's】 (@RytoSle2) January 5, 2023
YouTuberの二極化発言が話題になるなか、古参YouTuberグループのフィッシャーズはアメリカの人気YouTuberグループ・Dude Perfectを再生回数で上回ったことを報告。フィッシャーズは2012年に現在のチャンネルを開設すると、2019年にはYouTube界のアカデミー賞で「Streamy Awards / International: Asia Pacific Region」を日本人で初めて受賞。昨年12月にYouTubeが発表した「国内トップトレンド動画」ランキングにも入っている実力派動画クリエイターグループで、チャンネル登録者数779万人を誇る(2023年1月11日時点)。
フッシャーズは新旧とわずさまざまなYouTuberたちとのコラボ動画や、時にはテレビ番組かと錯覚しそうな大型企画が人気で、急上昇ランキングの常連だ。昨年4月には自身のオリジナルブランド「Dotene(ドテネ)」を立ち上げ、商品のプロデュースを行うほか、直近ではテレビCMに出演するなどまだまだその勢いは止まらない。フィッシャーズの活躍ぶりを見ると、YouTubeの収益低下という問題はまったく感じられないというのが現状だ。
広告収益の低下を嘆くYouTuberもいれば、そんな背景をよそに人気を誇示しているYouTuberもいるわけだが、一体今後はどんなYouTuberが生き残れるのか。YouTubeは今月9日、2023年2月1日から「YouTubeパートナープログラム(YPP)」に参加している動画クリエイターが、ショート動画の広告収益を得られるようになることを発表した。この規約改定により、これまで1億ドルファンド「YouTube Shorts Fund」で選ばれた一部の動画クリエイターにしか支払われていなかったショート動画の広告収益が、より多くのクリエイターに払われるようになる。よって、ショート動画に力を入れれば、YouTuberたちはより高い広告収入を得られるのだ。
さらに、YouTubeが2022年7月にライブコマースができる「YouTube ショッピング」機能を追加したことも、YouTuberの生き残りに影響を与えると考えられる。同年11月、YouTubeはショート動画にもこの機能を追加することを発表。YouTube上で自身のプロデュースしているグッズやほかブランドの商品を販売できるため、この機能を使うことでYouTuberたちは広告収益とは異なる利益をYouTube上で生み出せるというものだ。ぷろたんやフィッシャーズのほかにも、ヒカルやコムドットなど多くの人気YouTuberたちがオリジナル商品をプロデュースしており、YouTube ショッピングは彼らのようなYouTuberたちの収益のひとつの柱になると考えられる。
度々話題になるYouTubeの収益の低下やYouTuberの二極化。ショート動画の収益分配スタートやショッピング機能の追加といったYouTubeの動きを見ると、今後もYouTuberとして輝き続けるためにはショート動画にいかに注力できるかが鍵になるだろう。
出典:
・YouTube ショートの収益化ポリシー
https://support.google.com/youtube/answer/12504220?hl=ja
・YouTube のショッピング機能を利用する
https://support.google.com/youtube/answer/12257682?hl=ja