Amazon Musicのポッドキャスト制作スタジオ 「Wondery」が日本で本格始動 落語家・春風亭一之輔氏も登壇した記者会見レポート
「Wondery」が遂に日本で本格始動
2023年3月22日、Amazon Musicは同社のポッドキャスト制作スタジオ 「Wondery」を日本において始動することを発表した。あわせて同スタジオの代表的なシリーズのひとつである 『ビジネスウォーズ』の日本語版として制作した最新作 『ビジネスウォーズ:ファストファッション戦争』 の全エピソードを同日よりAmazon Musicにて配信する。
都内で行われた発表記者会見では、Head of Japan Podcast Contentを務める柴田周平氏と『ビジネスウォーズ』の案内役であり、声色を使い分けることで登場人物を演じる落語家の春風亭一之輔氏が登壇。これまでのWonderyの取り組みや今後の日本での展開、「ビジネスウォーズ」の魅力などに関する説明が行われた。
Amazon Musicでは2010年にポッドキャスト配信を始め、そこからオリジナル独占コンテンツを続々公開。これまでに合計17のオリジナルコンテンツを制作・配信してきた。同社では音楽ジャンルにとどまらず、お笑い、語学、ビジネスなど幅広いジャンルのポッドキャスト番組を配信してきたが、そのさらなる推進役を担うのがWonderyだ。
2016年に設立されたWonderyは、ハリウッド映画のようなストーリーテリングをポッドキャストで実現することを目的にしたポッドキャスト制作スタジオだ。Wonderyは、Appleポッドキャストチャートにおいて50以上のオリジナル番組が首位にランクインするなどアメリカを代表するポッドキャスト制作スタジオとして知られている。またその番組の特徴は「ビジネスウォーズ」に見られる、没入感溢れるサウンドデザインと感情に訴えかけるストーリーテリングを核にした高品質で魅力的な物語の制作にある。
2021年にAmazon Musicのポッドキャスト制作スタジオになり、今回本格的に日本で始動することになったWonderyでは、ポッドキャスト制作だけにとどまらず、オリジナル番組を二次利用して多面的にビジネスを展開。同スタジオのオリジナルシリーズ『ビジネスウォーズ』の書籍化 『The Art of Business of Wars (邦題: ビジネスの兵法一孫子に学ぶ経営の神髄)』に加え、 Peacock の 『Dr. Death』 『Joe vs Carole』 Apple TV+の 『The Shrink Next Door』 『WeCrashed 』 など、アメリカにおいて多数が脚本として採用され TVやストリーミングで放送・配信されている。
ストーリー性が高い“没入感のある”番組でポッドキャストの発展に貢献したい
発表記者会見では、柴田氏がこれまでのWonderyの取り組みについて説明したあと、今後の日本での活動においても説明。今後、同スタジオは「さまざまなパートナーとの協業」、「日本のクリエイターとの連携による日本独自の高品質で魅力的なポッドキャスト番組や没入感のあるストーリーの開発を支援」、「継続的な成長のためのビジネス体制の構築」といった3つの領域にフォーカスして展開していくという。また柴田氏は「その先駆けとなるのが3月22日より配信される 『ビジネスウォーズ』です」と語った。
『ビジネスウォーズ』は、ビジネスの世界のライバル企業同士の戦いに焦点をあてたドキュメンタリー番組。アメリカにおいては、最近でもポッドキャストの世界におけるアカデミー賞といわれる「アンビー賞(Ambies)」において、ベストビジネスポッドキャスト賞を受賞するなど、高い評価を得ているという。
その第一弾として公開されるのは、日本でもお馴染みのファストファッション業界の大企業同士の戦いを描いた『ビジネスウォーズ: ファストファッション戦争(全5話)』だ。また4月19日(水)からは第2弾となる日本を代表する巨大企業トヨタとホンダがアメリカを舞台に熾烈な競争を繰り広げるドラマを描いた『ビジネスウォーズ: トヨタ vs ホンダ (全4話)』の配信も予定している。
番組について、柴田氏は「『ビジネスウォーズ』 は巨大企業のビジネス戦略を知りたいというビジネスマンだけでなく、人間ドラマとしても楽しめる幅広い内容になっているので幅広いリスナーの皆さんに楽しんでもらえるはずです」と述べたほか、今後のWonderyの日本展開については、次のように語った。
「Wonderyはストーリー性が高い没入感のある様々なジャンルの番組を開発し、世に送り出すことを通じてポッドキャストの発展に貢献したい。今後、日本の優れたクリエイターの皆さんと協力して、日本発の高品質で魅力的な物語を制作して、それを世界のリスナーに向けて届けていきたいです」(柴田)