Kevin’s English Roomがハリウッド映画吹替版に出演 専門性を活かしたYouTuberの強みに迫る
3月8日、人気3人組YouTuber・Kevin’s English Roomが3月31日に公開予定のハリウッド映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の日本語吹き替え版に声優として出演することが発表された。今回はKevin’s English Roomの活躍から、専門性の高いチャンネルを運営するYouTuberの強みについて考えてみたい。
Kevin’s English Roomは、アメリカで生まれ育ったバイリンガルの「ケビン」とIQ140の「かけ」、日英仏のトリリンガルの「やま」の男性3人によるYouTuberグループ。大学の友人だった3人がこれまでのバックグラウンドを活かし、言語や文化の違いなどを紹介する動画を投稿、チャンネル開設は2019年12月と新しいチャンネルながら登録者数は193万人を突破している(3月15日時点)。
今回公開された日本語版の予告編は、世界中で人気を集めるロールプレイングゲームの実写映画の日本語吹き替え版のもの。この予告編で3人が声優に初挑戦したことが明らかになった。ケビンは鳥人間のジャーナサン、やまは死体イエス、かけはドラゴン人間のノリジウス役で吹替出演しており、予告編ではやまの出演シーンが含まれているほか、Kevin’s English Roomの公式SNSではケビンとかけの出演シーンも少しだけ公開されている。
Kevin’s English Roomといえば、つい先日は俳優・杏とのコラボ動画が話題になり、急上昇にランクイン。ケビン、やま、かけは、「帰国子女のバイリンガル」「IQ140」「トリリンガル」など、それぞれがもっている強み自体が他を圧倒するものだが、実はこれまでもTBS系で放送されていた連続ドラマ『ドラゴン桜』に英語監修者として名を連ねるなど、英語という専門性を活かし、幅広く活動している。
YouTubeでは圧倒的にエンタメコンテンツの人気が根強く、これまでもドラマや映画、テレビCMなどに起用されてきたエンタメ系YouTuberは多い。しかし、英語という専門性を武器にここまで活躍の場を広げたYouTuberはなかなか珍しいのだ。
英語に関する動画を投稿しているYouTubeチャンネルは、「バイリンガール」という名で一躍有名になったChikaをはじめ、英会話スクールの代表者が運営するものなど実に多くある。Chikaのチャンネルは実践的な会話が学べる動画で人気に火が付いたが、多くのチャンネルでは英語をしっかり学ぶための動画が多いイメージがある。
一方、Kevin’s English Roomは海外食品の食べ比べやクッキング動画のような、英語とエンタメを掛け合わせたコンテンツが大人気。英文法や会話といった英語習得に役立つ動画においても、食べ比べやクッキング動画と同じくらい再生回数を記録する動画もあるが、とにかく楽しい雰囲気が漂い、通常の解説動画や勉強動画とは一味違っている。
Kevin’s English Roomの動画を見返すと、このチャンネルが英語学習者だけをターゲットにしているわけではなく、海外の文化や生活に興味をもっている視聴者をもターゲットに含んでいることが読み取れる。このようなターゲットの選定に加え、YouTubeのShortsとTikTokでもエンタメ色が際立つ英語学習用コンテンツを投稿しており、この戦略もまた、さらに多くのファンを獲得している理由だと考えられる。
ハリウッド映画の吹き替え出演といったKevin’s English RoomのYouTubeを超えた活躍は、英語という確固たる強みに、誰もが楽しめるエンタメ要素を掛け合わせたコンテンツ作りがもたらした結果といえそうだ。
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