Nintendo Switchの累計販売台数が“ゲームボーイ超え” 噂される次世代機は、スペックよりも遊びやすさで勝負?

 任天堂は2月7日、Nintendo Switchの累計販売台数が2022年末時点で1億2,255万台に達したと発表した。

 この発表により、同機はおなじく任天堂が発売した携帯機・ゲームボーイを超え、歴代で3番目に販売台数の多いゲーム機となった。

 本稿では、伸び続けるNintendo Switchの販売台数を入り口に、噂されている次世代機の性能について考える。なぜ同機はこれほどまでに支持されるのか。次世代機のヒントは、その理由に隠れているのかもしれない。

発売から6年でゲームボーイ超え。Nintendo Switchがゲーム史に名を残す偉業

 Nintendo Switchは、いまから約6年前の2017年3月に発売された家庭用ゲーム機だ。任天堂の前世代機・Wii Uに代わる据置型ハードで、付属の液晶端末を本体ドッグから取り外すことにより、携帯機としても機能する。初年度の販売台数は1,505万台。もちろんこの数字も成功と呼ぶにふさわしい立派なものだが、同機のすごさはその後の推移にある。

 ゲーム機の販売台数は初年度から右肩下がりとなっていくのが一般的だが、Nintendo Switchは新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり消費が拡大した2021年度まで、右肩上がりに数字を増やしている。2019年度が1,695万台、2020年度が2,103万台、2021年度が2,883万台といった具合だ。その後はさすがに販売台数を減らしているが、それでもまだほぼ横ばいの状態を維持している。参考までに、低調だった前世代機・Wii Uの累計販売台数は1,356万台。つまり、Nintendo Switchは、Wii Uの全期分以上の販売台数を毎年記録していたことになる。この成功で任天堂はWii Uでの苦い経験を払拭し、トップランナーに返り咲いた。

 今回の発表により、Nintendo Switchはゲームボーイ(任天堂・1989年発売)の1億1,869万台を超え、歴代3番目に販売台数の多いゲーム機となった。こうした状況について、任天堂の古川俊太郎社長は会見にて「持ち出せる据え置き機というコンセプトで、これまでと異なる商品として長く受け入れられた結果だ」と分析している。これまでの過程には、需要過多や半導体不足に起因する生産の遅れから、品薄・高額転売がネガティブなトピックとして界隈をにぎわすこともあったNintendo Switch。ゲーム史に名を残すハードとして、またひとつ勲章を手に入れた。

【全世界におけるゲーム機の歴代販売台数TOP10】
1. PlayStation 2(1億5,500万台/ソニー・2000年発売)
2. ニンテンドーDSシリーズ(1億5,402万台/任天堂・2004年発売)
3. Nintendo Switchシリーズ(1億2,255万台/任天堂・2017年発売)
4. ゲームボーイシリーズ(1億1,869万台/任天堂・1989年発売)
5. PlayStation 4(1億1,700万台/ソニー・2013年発売)
6. PlayStation(1億240万台/ソニー・1994年発売)
7. Wii(1億163万台/任天堂・2006年発売)
8. PlayStation 3(8,740万台/ソニー・2006年発売)
9. Xbox 360(8,580万台/Microsoft・2005年発売)
10. ゲームボーイアドバンスシリーズ(8,151万台/任天堂・2001年発売)
※シリーズの発売時期は、最初のモデルが投入されたときのもの。Xbox 360の販売台数のみ、非公式の数字。

噂される任天堂の次世代機。ライバルはPlayStation 5、Xbox Series X/Sではない?

 一方、Nintendo Switchをめぐる議論のなかで、ここ最近話題を集めているのが、任天堂の次世代機についてだ。先に述べたとおり、同機が発売されたのはおよそ6年前。そろそろフルモデルチェンジされた新しいプラットフォームが登場してもよい頃である。

 参考までに競合製品の発売間隔を挙げると、PlayStation 5が約7年(2013年11月→2020年11月)、Xbox Series X/Sが約6年(2014年9月→2020年11月)となっている。Wii UとNintendo Switchの間隔が約4年半だったことを踏まえても、Xデーが近いと考えるのはごく自然な流れだろう。2023年内発表、2024年発売くらいのスケジュールであれば、充分に現実的であるように感じる。

 また、その発売日と同様に多くのゲームフリークが気にしているのが、新プラットフォームのスペックに関して。同機をめぐる憶測のなかには、より上位のチップセット・GPUを搭載したモデルになるという見方もあった。

 任天堂の次世代機は、どのような機能を持ち合わせたハードとなるのか。予測のためのカギは、競合の現行機であるPlayStation 5やXbox Series X/Sにはない、“任天堂らしさ”にあると考える。その“任天堂らしさ”とは、携帯性とファミリー機としての立ち位置だ。

 据置機でありながら携帯機としても機能するNintendo Switchのコンセプトは、前世代機・Wii Uから受け継いだものである。同機の発売当時は、機能的不十分さやモバイルゲームの台頭、競合他社による携帯機の発売など、逆風が強かったが、時を経て機能・デザインが洗練されると同時に、モバイルゲーム市場は縮小、競合他社は携帯機の市場から撤退と、その風は追い風へと変化してきた。任天堂・古川社長の言葉どおり、Nintendo Switchが成功した理由のひとつには「持ち出せる据え置き機」であったことも大きく影響しているに違いない。「リビングに設置し、時にはTVを使って家族みんなで、時にはTVと切り離された携帯機としてひとりで」といったように、家族の形やライフスタイルにあわせて使い方・遊び方を選べる点が、Nintendo Switchの大きな強みだといえる。

 性能面での進化について語られやすい任天堂の次世代機だが、その方向へのパワーアップは、ソフトがマルチプラットフォームで展開されるときの選択肢となりうるだけ、つまり最低限となるのではないだろうか。ただでさえ、ハイエンドの市場は、PlayStation 5、Xbox Series X/S、PCと群雄割拠になりつつある。

 Nintendo Switchでの成功を踏まえ、任天堂が見据えるのはどのような進化か。そのカギは、同機だけがカバーできる守備範囲のなかにある気がしてならない。

〈データ引用元〉
ソニー:https://www.sie.com/jp/corporate/data.html
任天堂:https://www.nintendo.co.jp/ir/finance/hard_soft/
Microsoft:https://www.vgchartz.com/weekly/42939/Global/

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