YouTuberの飲食店レビュー、炎上の境目は? タケヤキ翔の訪問動画に考える
YouTuberのタケヤキ翔が、YouTuberグループ・夕闇に誘いし漆黒の天使達が酷評した「ワンオペうどん屋」へ訪問した。
事の発端は、夕闇に誘いし漆黒の天使達が2022年10月22日に公開した動画だ。同グループのメンバーは、Googleのレビューが付いていない飲食店に最初のレビューを書き込むという企画趣旨のもと、80代の年配女性が一人で切り盛りするうどん店へと訪れた。そこでメンバーは、4人別々の料理を注文。店主が前もって「時間、大丈夫ですよね?」と声をかけた際には全員了承したにもかかわらず、店を後にすると、「急ぐ気がなかったのが腹立ちましたね」「飲食界の(ピー音)やね。飲食の権利ない」などと痛烈に批判したのだ。この動画は今年2月に入ってからSNSで拡散され大炎上。事態を重く見た夕闇は2月9日に謝罪動画を公開し、当面YouTubeでの動画投稿を自粛すると発表している。
この騒動を受けて、同じUUUM所属のYouTuberであるタケヤキが立ち上がった。
2月10日に公開した動画でタケヤキは、これから夕闇が酷評したうどん店へ向かうと説明。「事務所に内緒で動いてる。だから多分怒られる(笑)」と言いつつ、「フットワークの軽さがYouTuberの強み」とのポリシーに突き動かされ、居住地である大阪からうどん店のある神奈川まで車を走らせた。
タケヤキが動いたのには訳がある。というのも、彼はYouTubeにおける飲食店レビュー動画の第一人者的存在。特に、5~6年前から始めたグルメサイトの低評価店へ実際に訪れて寸評する動画は、高い人気を博している。
そんな低評価店のレビュー動画を誰よりも得意とする男の目に、問題の動画はどう映ったのか。タケヤキは「第一に言えることはマジで許されることではないと思う」と斬り捨てた。続けて、うどん店の印象を「俺が見てる限り、良さそうな店やなと思った」と語り、夕闇が「レビューがないからダメな店」と決めつけた上で訪れたために引き返せなくなり、必要以上に批判したのではないかと推察。「それでああいう言葉を吐いちゃったのは、アカンなと。それは本当に許せないことだなと思います」と語気を強めていた。
その後、実際にうどん店に到着し、天ぷらうどんを実食。店舗側への配慮から店内での撮影はあえて行わず、退店後に料理の写真などを交えつつ感想を伝えた。タケヤキによると、「めちゃくちゃ美味しかった」とのこと。「具がすごい豊富というか。野菜からカニカマから。俺の知ってる天ぷらうどんじゃなくて色んな具が入ってたから美味しかったです」と説き、「YouTuber的な視点でいうと普通に優良店です」と親指を立ててグッドのポーズを作った。
タケヤキが過去に投降した低評価店のレビュー動画を見てみると、サムネイルはやや刺激的であるものの、内容として一方的に酷評する動画は意外と少ない。悪いところは悪いと評し、良いところは良いとしっかり認める……そんなフェアなスタンスで寸評している。そのためか、炎上は全くといっていいほどない。
今回、大炎上してしまった夕闇だが、彼らもうどん店を訪れる前にタケヤキの動画から、先入観を持たずに公平かつ正当に評価することなどそのエッセンスを少しでも学び取っていれば、ここまでの炎上にはなっていなかったかもしれない。
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