ついに日本上陸。中国EVメーカーBYDの『ATTO3』とフォルクスワーゲンの世界戦略EV『iD.4』、話題のEV車を実力測定!

 

 一方、ドイツ車として注目なのはフォルクスワーゲン(以下VW)の世界戦略車ともいえる『iD.4(アイディーフォー)』。「iD」シリーズは同ブランドのEVラインナップで、同車は2020年にフォルクスワーゲン初のフル電動SUVとしてデビューした。

 日本にはバッテリーとモーター出力の違うプロとライトの2種類が導入され、前者は77kWhのバッテリーに150kW/310Nmのモーター、後者は52kWhのバッテリーに125kW/310Nmのモーターが搭載されている。

 バッテリー容量が違えば当然、航続距離も異なり、プロが618km、ライトが435kmだ。ちなみにこの2グレードは約200kgもの重量差がある。いかにバッテリーが重いか、という話だ。なお日本導入時に設定された限定車ローンチエディソンにはVW、アウディ、ポルシェの3大ブランドが提携する充電ネットワーク「プレミアムチャージングアライアンス」が使えるなど、さまざまな特典がついてくる。

EVでもVW「らしさ」は健在

 今回試乗できたのはプロの方。同車は3ゾーンのオートエアコンや12チャンネルの6スピーカー、パノラマガラスルーフなどを標準装備。大きなドアノブに手をかけ、開いた瞬間からVWらしいどっしりした剛性感が筆者的には魅力的であった。乗り込む時にキーを持っていれば自動で解錠され、ブレーキを踏めばいつでもスタート可能。ユニークなのはシフトセレクターの位置。それはメーターパネルの右側に陣取っており、捻って操作する。

高速安定性も抜群の『iD.4』

 実際に乗り出すと、動き出しは穏やか。40km/hくらいから力強さを感じられる加速力になるが、角の取れた丸い印象。もちろん深く踏み込めばEVならではのトルクを感じられるがジェットコースター的なものではない。むしろ楽しいのはコーナリングか。リアモーターの後輪駆動でバッテリーなどの重量物は床下の低重心となれば、気分良く曲がってくれる。
 もちろん高速の安定性は流石VWといった印象。ちなみに、フロントフード下には空調系のユニットが収まっている。後席も体験できたがセンタートンネルがない分、足元スペースは広々。調べてみたら同ブランドのSUV『ティグアン』のホイールベースよりも10cm近く長い2770mm。これは広いハズと納得。価格はプロが648万8000円、ライトが514万2000円から。両グレードとも200Vの普通充電と「CHAdeMo」の200Vの急速充電にも対応する。

■参考情報

BYD
https://byd.co.jp/

Volkswagen
https://www.volkswagen.co.jp/ja.html

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