「世界で一人だけ、わたしだけが郡道美玲」 強烈な自己意識から生まれたにじさんじの"最速最強イニシエーター"
視聴者・コラボ相手の悪態をついたり叫びながらゲームをこなしていく彼女だが、雑談となると一転して「あたし××したいんだよね。だから〇〇を▽▽していくし~」と計画を立てていくのがわかる。
しかもにじさんじ内外のバーチャルタレント/VTuberのなかではすこし珍しく、スーパーチャットやYouTubeチャンネルの限定メンバー登録された時には「コメントした人の名前・ユーザー名」をちゃんと呼んでから、送られてきたコメント内容に返事するタイプでもある。人によっては名前を呼ばずにコメントだけを読む人もいるが、相手の名前をちゃんorさん付けで自然に呼びつつコメントに反応している。
しかも彼女の場合、YouTubeやツイキャスを使っての限定配信や突発配信がとても多いタイプで、馴染みの視聴者やメンバーさんへの対応は文字通り「お得意様」のように接してくる。自身の3Dお披露目配信の最後には当時YouTubeチャンネルの限定メンバーらの名前をエンドロールにして流しており、自身のリスナーへの強い愛情・感謝・信頼を置いているのが伝わってくる。
コミュニケーション力の高さ・アクティブな性格は、配信と配信の合間に時間をとって全国津々浦々、さまざまなメンバーや友人を誘って旅行にいく点にもあらわれている。数か月に1度はどこかに旅立っているので、まさにジッと待っているのが苦手なタイプといえる。
ちなみに彼女の出身・在住はバーチャル岐阜。デビューから4年以上が経過して事業が拡大していくなかで元々住んでいた場所から上京するメンバーが多いが、彼女はいまでも「東京出張」と称して出稼ぎにやってくる。
そんな彼女だが、2022年6月10日にはメニエール病を発症したことを告白した。左耳の聴力がほとんど聞こえない状態となってしまい、15種類ほどの薬を服用しながら体調を鑑みつつ活動を続けている。配信中の彼女からはそういった身体的不調をいっさい感じさせないところに、彼女の強さを感じる。
突然の発表から「嘘つき」と呼ぶ声があがったことに対しても、ピシャリと反論していたのも印象的だ。慇懃無礼・傍若無人・傲岸不遜・厚顔無恥……そういった彼女の配信での振る舞いがこういったネガティブな反応を生みやすくしている部分はあるかもしれないが、SNSや掲示板などを通じて不用意に間違った事実を流布したり、活動そのものの妨げになる行為をすることとは、まったく別の話である。
体調不良で活動を休止するバーチャルタレントだけでなく、そもそも身体的ハンディキャップを持ちつつも活動しようとする方も多いなか、こういったパッシングや貶める声に対して「ネガティブなコメント・声をあげるのは止めよう」と反応するのは、2020年代のネット・インフルエンサーらしい振る舞いだといえよう。
さて、この記事が公開される1月7日~8日には「新春!にじさんじ麻雀杯2023」が開催されている。その経歴・雀力をみれば、「優勝候補のひとり」だと言われていてもおかしくはないのだが、なぜかそうと言われることがあまりにも少ないように思える。
今大会イチの死のグループに入った郡道がどのような打牌を見せてくれるのか。唯一分かるのは、優勝を果たそうがグループ戦で負けようが「さすが郡道」「やっぱり郡道」と評価されることだ。