北海道で自給自足生活を送る「貧困女性YouTuber」が人気に ショート動画の収益化で好転するか?

 北海道で自給自足の生活を送り、YouTubeやTikTokで日々の貧困生活の様子を動画で投稿する女性がいま、人気を集めている。そのYouTubeチャンネル名は「りんの田舎暮らし」で、チャンネル登録者数は44.1万人を誇る。(2022年12月14日時点)

@rinninniku 貧困女子の古民家料理教室🍚 #りんの田舎暮らし#田舎#田舎暮らし#countylife#古民家#北海道#平和日常#誰かに話したい#一人暮らし#ぼっち#TikTok教室#グルメ#孤独のグルメ#鍋#自給自足#キャンプ#キャンプ女子#北海道グルメ#釣り#釣りガール#ザンギ#豚バラ#手羽先#名古屋 ♬ オリジナル楽曲 - りんの田舎暮らし

 「りんの田舎暮らし」こと、りんさん(仮名)は独特な雰囲気を醸し出している。自給自足している北海道の家ではガスが使えないらしく、木材を自身で調達して火をおこし、豚のしゃぶしゃぶや手羽先などを調理する動画を投稿している。ただの調理動画に見えるが、とりわけ人気が高い理由は、ツッコミどころ満載な内容にある。動画内では、生の鶏肉を食べようとしたり、自身のワキの臭いを嗅いだりする様子が視聴者を楽しませている。

 りんさんはYouTubeで北海道の自給自足の様子を届けながら、自治体との繋がりを積極的に進めている。直近では北海道の1日警察署長を務め、北海道・斜里町の「道の駅うとろ・シリエトク」で、交通安全の案内などを行った。りんさんには北海道の観光に携わる仕事に力を入れたい思いがあるようで、現在も道北のとある自治体とのプロジェクトを計画中とのことだ。

【1億再生記念】警察署長になった貧困女子、道の駅に出動する

 YouTubeの登録者数が40万人以上で、総再生回数も1億回を超えることから「本当は貧困女子じゃないのでは……?」という疑いが度々かけられる。しかし、本人は否定している。実際、2022年10月に公開した動画「【重大発表】謝罪とご報告 貧困女子驚きの月収を大暴露」の中で、最高の月間再生回数1463万回の月の収入は1,280ドル(執筆時点のレートで約17万6,000円)と語った。

【重大発表】謝罪とご報告 貧困女子驚きの月収を大暴露

 収入が少ない理由の1つは、ショート動画の多さにある。2022年現在、YouTubeのショート動画はそれ単体からは収益化できない。(2023年より収益化がスタート予定)りんの田舎暮らしは、TikTokやYouTubeのショート動画から人気を集めた経緯がある。チャンネル登録者数44.1万人の今でもショート動画がメイン。直近でYouTubeに投稿された動画でも、10本中9本がショート動画であり、単純に計算すれば10%の動画しか収益化できていないことになる。さらに、長尺動画の投稿頻度が低いことが、収益圧迫に拍車をかけている。

 また、収益を圧迫する理由は、動画内で使用する楽曲の使用料にある。当チャンネルのショート動画では、松任谷由実さんの「春よ、来い」のほか、中島みゆきさんの楽曲などを使用している。これらの楽曲使用料が実に収益の9割を占めており、収入を圧迫しているとのことだ。

 貧困女性というキャッチーな枠組みかつ独特な雰囲気を醸し出す彼女。ショート動画の収益化がスタート後、どのように動画を展開していくのか目が離せない。気になる方は、この機会にぜひ視聴してみてほしい。

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