地域や次元、そして事務所すらも さまざまな"壁"を飛び越えた2022年・にじさんじタレントらの名配信・名シーン(前編)
ファンのなかで話にあがるネタといえば、「あの人がもしも〇〇だったら?」という妄想ネタ。「その状況・立場なら××のほうが似合いそうじゃない?」とファン同士で盛り上がり、時としてそれは二次創作のなかで描かれることもしばしば。
アンジュ・カトリーナとニュイ・ニュイソシエールの仲良しコンビによるにじさんじ家系図は、まさにそんな姿が目に見える形で届けられた配信であろう。家族構成に留まらず、友人関係や何でもない関係に至るまで、主人公を自分にしたうえで広がっていく相関関係を話していく。
『Minecraft』で妄想小説を書いて関係者とリスナーを笑わせたり胸苦しくさせたアンジュと、リスナーの思わぬコメントに興が高じて「家で思わず踊ったりする?」と真剣に聞いてみるニュイの2人。そんな2人による解像度・構築力の高い妄想学校トークの数々は、ツラツラと口をついてでてくるがほとんどがその場でひらめいたものばかりだろう。思わず「夢女子」と口に出してしまってはいるが、2人が何を読み、なにを好んできたかが伝わってくる。
男女関わらず多くのメンバーが取り上げられつつ、共感できるところ・できないところで盛り上がったり下がったりを繰り返す2人の姿は、「にじさんじファンの理想的な姿を公式側が提供している」かのようだ。
ちなみに以前同様の企画で話題にあがった「アンジュの同級生は黛灰とエリー・コニファー」という組み合わせ、その後実際にカップリングとなって配信に登場したことがある。筆者は「アンジュの三女・北小路ヒスイ」を見てみたいところだ。
にじさんじENの配信を見てみると、会話内容が英語ということで言葉がうまく伝わらなくても、オーバーリアクションや声を荒げたりなどをし、「祖野な言動をしている」と見て取れることがままある。
にじさんじENの同僚メンバーもコメントすることが多く、相手が困っていればDiscordを使って連絡を取り、そのまま配信に登場するといった流れも。これはブレイクを果たす前の「にじさんじ」のようなラフさにも似ている。
そんななか、4月4日にVox Akumaは『GETTING OVER IT』こと「壺ゲーム」をプレイすることに。始まる前までは前回で手こずっていた頭を掠めていたヴォックス。
i keep thinking about my last getting over it stream, and it makes me unhappy. i'm gonna keep playing until i beat this thing https://t.co/tutZRkFltc pic.twitter.com/2nzvqZ8Ynx
— Vox Akuma 👹🧧 NIJISANJI EN (@Vox_Akuma) April 4, 2022
スタートしてから3時間半を越えてもなかなかゲームクリアまで至らず、前回の苦戦が頭を掠めはじめるヴォックス。そんなときに駆けつけたのは、遠藤霊夢、遊間ユーゴ、ファルガー・オーヴィド、アイク・イーヴランドら同僚たち。時間を追うごと少しずつ応援者が増え、ゲームも終盤となってクリアも目前まで進んだ。
そんななかでスタートしたのが「海外でのアニメ界隈あるあるネタ」。VTuberになるということはどこかしらでアニメ作品には触れてきているのであろう、5人が話す内容は本当に多彩であり、リアリティ溢れるものばかり。筆者も知っているもの・知らないものもあり、とても面白かった。
「目を隠しているキャラクターが『分かってる』という時『I See』と字幕が振られている」
「コードギアス・スザクの嘘字幕」
「自分が足を運んだアニメフェスティバルで主題歌やアニメネタを叫んだときの反応」
「『NARUTO』ドイツ版オリジナルオープニングソングや忍者の印を真似した」
そんな話をしていると、なぜかうまく進まなくなってしまい焦り始め、しまいに「赤ちゃん化」してしまうヴォックス。あの太く艶やかなダンディな声で赤ちゃんのようになってしまうのだから、仲良いメンバーらとのムード作りがいかに面白い配信へと繋がるかが分かるだろう。
ちなみにこのステージ箇所、屋根の上から崖の中腹、上まであがってからのプレイと雑談だけで2~3時間ほどあるが、その間見られるのはNIJISANJI ENメンバーの仲の良さや心優しい眼差しだ。決してヘタに煽ることなく、無駄に思えるような雑談や応援の声をかけ続けるメンバーたち。
日本のVTuberファンならびにストリーマーファンにとっては驚くかもしれないが、このゲームが孤独の戦いではなく、友人らと共に和気あいあいとプレイできることを証明したのだ。