テレビでは観られない? くりぃむしちゅー各人のYouTubeで再認識できる上田と有田の巧みな話術
「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」
有田哲平という男の「知らない層に自分の興味のあるコンテンツの魅力を届ける話術」は異常なのだが、ことプロレスに関して言えば、芸能界でも間違いなくトップクラスの知識と熱量を誇っている。タイトルの「オマエ有田だろ!!」は、藤波辰巳が覆面レスラーのスーパー・ストロング・マシンに対して言った迷言で、これだけでも有田がどれだけプロレス愛に溢れているかが伝わってくる。
前身番組でもある「有田と週刊プロレスと」からの付き合いでもある、聞き手のプロ・チュートリアルの福田充徳を迎え、古今東西のプロレス史に残る衝撃事件や語り継がれる伝説の試合を分かりやすく、かつ深く掘り下げていくこのチャンネルは、番組開設から9ヶ月で登録者数は18万人を突破するなど、どれだけ有田のプロレストークに需要があるかを物語っている。
有田と福田、この2人の相性のバランスはまさに「絶妙」で、プロレスに関してはほぼ無知と言っていい福田だが、普通は説明を省いてしまうような素朴な疑問を彼が投げかけ、それを改めて有田が深く説明することで、プロレスファンにとっては素晴らしさの再確認を、プロレスビギナーにとっては新しい感動を得ることができる。このチャンネルで改めて感じる有田のトークの凄さとは「再現力」だ。まるで数分前に観てきたかのように名試合を凄まじい臨場感で語る情景描写力はもはや「名人」の域。彼のトークを聴くと確実に元の映像を確認したくなる。
それぞれの活動でその力を遺憾なく発揮しているからこそ、2人が合わさった時の爆発力はとんでもないものがある。特に『しゃべくり007』は、さらにそのすごさが増していると感じることが多々ある。仮に「知らない」ゲストだろうが瞬時にその特徴や個性を見抜き、番組が最も盛り上がるための最適解を出し続ける上田と、ゲストのどんな角度のトークからでも一発で笑いを生み出しその場を締める有田、来年で15周年に突入するこの番組だが、観るたびに「最高」を更新し続けているのはコンビだけでなく個々の活動が充実しているからなのかもしれない。
いまが「全盛期」と言っても過言ではないくりぃむしちゅーの活躍をこれからも応援し続けたい。