『覆面D』最終話ーー大地(関口メンディー)VS覇王(武知海青)が真っ向勝負 主題歌「愛傷」とリンクする本作の根幹

 ABEMAオリジナル連続ドラマ『覆面D』の最終話が放送された。本作は、夢破れた熱血教師・大地大輔(関口メンディー)が “教育困難校”に赴任し、再度体を張って生徒に向き合い続ける姿を描く社会派学園エンターテインメントだ。主人公の大地をEXILEおよびGENARATIONS from EXILE TRIBEの関口メンディーが演じ、クラスの生徒を水沢林太郎、秋田汐梨、曽田陵介、紺野彩夏ら、話題の若手俳優陣が演じる。

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 大地の過去が週刊誌に掲載されてしまったあとに、かつての赴任先の生徒である山田恵(鶴嶋乃愛)が馬場校長(高橋克典)の元を訪れる。そこで、橋本瑞穂(川津明日香)の自死には自分との関わりが影響していたと告白した。また、ハオウ(武知海青)も謹慎中の大地を呼び出して、自分が当時、橋本からの告白を断った男・佐山なのだということを明かす。ハオウは過去をずっと悔やんでいたが、今度の覆面Dとの試合で前に進めそうだと話した。どうやらハオウにとっても、この試合は重要な意味を持つようだ。だが覆面Dが試合に向かって刻一刻と努力を重ねる裏で、武藤(水沢林太郎)は人知れず苦しい戦いを強いられていた。

 最終話では大地が過去と向き合う中で、実は多くの人物が大地と同じように橋本の死に自責の念を抱えていたことが明らかになる。だがその誰もが、大地の覆面Dとしての戦いをきっかけに、過去を乗り越え前に進むことができるように。『覆面D』の主題歌であるGENERATIONS from EXILE TRIBEの「愛傷」は、本作が描こうとするものの根幹の部分をよく表している。ドラマの全ての物語が、曲に込められた想いと強くシンクロしていたのだと再認識させられた。美しい歌声に乗せられて『覆面D』が描き続けてきた願いと希望が紡がれ、自然と涙が溢れてしまう。

 また最終話では、これまで要所要所に盛り込まれてきた「手を掴む」ことの意味も描かれた。ハオウが握ろうとしなかった橋本の手、大地に届くことのなかった橋本の手……かつて掴むことのできなかった手を、今度は後悔しないように強く握り返す。ハオウとのシングルマッチ後の固い握手が、その全てを取り戻すかのように象徴的に描かれた。

 大地の生徒たちは、自らの手で未来を変えた。大地が覆面Dとして諦めずに戦う姿から希望をもらい、自分たちも自らの意思で現状を変えようと努力した結果なのだ。教師には、生徒全員の生活の面倒を見ることはできない。しかし寄り添い続けて希望を見せることで、彼らが前に進む活力を与えることはできるのではないだろうか。大地の生き様からそんなことを教えてもらった気がする。

 最終話では、これまで覆面Dを誰よりも応援してきた武藤が命の危機にさらされてしまう。しかし覆面Dも、武藤も、その命を諦めなかった。そして武藤は、ついにこの苦しい暮らしに終止符を打つように兄と対峙するのだ。「諦めない」が一貫して描かれた物語の中で、最後に武藤が諦めなかったことは家族を守りながら暮らしを整えること。もちろん問題の全てが解決したわけではないが、強い勇気と膨大な気力が必要なこの問題に立ち向かった武藤(水沢林太郎)からも希望をもらえた思いだ。

 誰かを支えることの意味は、その人に代わって問題を解決してあげることだけではない。それぞれが自分の力で未来を変えられるよう、寄り添い、励まし続けることもまた“支え”なのだ。『覆面D』が描いてきた世の中の多くの問題から、今後も目を逸らさずに生きていきたいと思った。

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