異様な“自称プロフィール”は積み重ねた活動の歴史 にじさんじ・矢車りねはマイペースに魅力を発揮し続ける

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加している。

 デビューから順を追うように紹介してきた本連載。元1期生、元2期生、元ゲーマーズ組、現在は元SEEDs組の2期生について執筆している。

 3回に分けてデビューしたSEEDs組2期生にあって、一番後発となる第3弾メンバーは2018年9月25日にデビューした。今回はその第3弾メンバーから、矢車りねについて書いていこうと思う。

 2018年9月25日より活動を開始し、Twitterでも元気よくツイート。9月28日にMirrativにて初配信を行うと、配信・SNS上でのノリの良さを見せ、リスナーが徐々に増えていった。

 活動当初は自分の瞳すら見えないレベルのグリグリな「瓶底メガネ」が特徴ではあったが、現在では普通の丸眼鏡をかけたり、ときには眼鏡なしで配信することもある。

 身長は141センチと細い体で、かなり幼さが残る体格ではある。これにくわえ、これまでの活動のなかでノリで適当かつふざけた会話をこなす中で、数多くの「自称プロフィール」が生みだされた。その一端を見てみよう。

本名:ゆうた
年齢:46億歳超え、生後3ヵ月、401回目の11歳
身長:約190センチ~200m
体重:リンゴ3個分、2万kg
視力:12.0
体の構成:半分がチクワでできている

 「なにを言ってるんだ?」と思われそうだが、このほかにも非常に多くの「自称プロフィール」を話して……いや生みだし続けている。デビュー当時の思いつきで様々に話した内容や、リスナーからの急なイジりに乗っかった結果が積み重なり、このような異様なプロフィールができあがったのだ。

 その後「自称プロフィール」ネタでリスナーやにじさんじメンバーからもさんざんイジられていくことになったわけだが、ここまで長きにわたってイジられつづけるとは彼女自身にとっても「まさか」だろう。

 かなり膨大かつツッコミどころのある「自称プロフィール」は新規のリスナーらも惹きつけてきたので、いちど検索して見ていただくことをオススメしたい。

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 この自称プロフィールネタに大きなスポットライトがあたり、もっとも有名かつインパクトあるネタといえば「ゆうた」ネタであろう。

 元々はゲーム中のプレイヤー名が「ゆうた」となっていたところを、リスナーから「本名バレしてるぞ!」とツッコまれ、「名前がバレた!」といって隠したところから「本名:ゆうた」としてイジられるようになった。

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 その後、大人気大型企画「にじさんじ甲子園2020」の監督に就任した樋口楓のチームに、矢車りねはドラフトされて参加することになる。「栄冠ナインモード」を使用したこの企画は、入学してきた選手をプレイヤー自身でさまざまに変更することができる。この変更機能を用いて、自チームにドラフトされたにじさんじメンバーを監督自身が自由にクリエイトしていく必要がある。

 外見ももちろん重要だが、やはり名前も重要。単に名字だけを表示するだけでは味がない。コメントでは「スマホ」「ヒモ」「スマート」などの案が挙がるなかで、「みんな『ゆうた』っていうけど、イジって良いのそのネタ? 非公式wikiに書いてある? ならええか。確認はしてみるか……」と確認し、アナウンス上の呼び名を「ゆうた」として登録したのだ。

 これにより選手登録名上では「矢車」、実況などのアナウンスでは「ゆうた」となったが、樋口がつけたニックネームは「スマホなくさない」であることが確認できる。リスナーよりもエゲツないイジリであろう。

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 翌年の「にじさんじ甲子園2021」でも樋口監督が指揮するチームにドラフトされて参加、2年連続で同じチームに所属するという幸運を手にした。

 樋口もイジりやすいメンバーということもあり迷うことなく「ゆうた」として登録、チームを初年度から支えることになった。

 樋口が作り上げたチームが同大会で強豪であったことで、「ゆうた」が抑えピッチャーとしてほぼ確実に登板する勝ちパターンが何度となく訪れた。ヒヤヒヤさせる展開にもつれることが多く、樋口監督も思わず「ゆうぅたぁああ!!!!!!」と叫びながらプレイしたこともあり、インパクトも印象も抜群で何度となく笑わせてくれた。

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 今年開催された「にじさんじフェス2022」では、樋口が会場内に立っていた矢車の等身大パネルを発見。すぐ後ろにあった柱に公式紹介文含めて「She is ゆうた」と書き残し、いつものようにイジってみせたところ、一定時間ごとにライバーのパネルがが入れ替わってしまい、矢車以外のメンバーも「ゆうた」化してしまった……という出来事もあった。

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