SNSを用いたレビュー文化は、なぜ「バズって」いるのか

SNSレビュー文化、なぜ「バズる」?

 「#〇〇購入品」「当たり」。SNS上でこのような言葉を見たことはないだろうか。

 ここで使われている「当たり」とは、懸賞やくじの「当選」を意味するものではなく、インターネット通販で購入した商品の質がよかったことや、その商品をフォロワーにレコメンドすることを指している。

 「#〇〇購入品」もレビュー投稿につけられがちなハッシュタグで、「当たり」と合わせて使用されることが多い。

 いま、SNSを用いたレビュー文化が「バズって」いる。

インターネット通販における商品レビューの重要性

 筆者は以前、インターネット通販で「写真詐欺」の被害に遭ったことがある。 

 某大手通販サイトで洋服を購入した際に、サイトに掲載されていた写真からは想像ができないほどクオリティの低い商品が届いたのだ。

 ガタガタで甘い裁縫、しわくちゃになった布。なるほどこれはたしかに立派な詐欺だ、と痛感した。届くはずだったワンピースのデザインがとても気に入っていたこともあり、たいへんショックだった。

 それからというもの、商品レビューを吟味してから購入するようになった。

 インターネット通販が主流になりつつあるいま、このような被害に遭う人も少なくないだろう。

 インターネット通販を利用する最大のデメリットは、実際に商品を手に取ることができない点である。通販サイトに全幅の信頼を置けない限り、サイズ表や素材表示の情報のみで衣類を購入するのは気が引ける。だからこそ、購入者によるレビューは重要な情報源になっている。

 しかし、商品ページのレビュー欄では投稿者に関する情報が少ないこともあり、投稿者の身長・体重・年齢等が自分と似ているのか、自分にとって本当に有用なレビューであるかの判断が難しいことが多い。

 商品の販売元が高評価を自作自演する「サクラ」によって、有用なレビューが埋もれてしまうことも、不信感を抱く要因のひとつである。

SNSレビューという手段

 そこで脚光を浴びたのが、SNSを用いたレビュー投稿だ。

 SNSではレビューだけでなく、日常の投稿が閲覧できる。投稿者の趣味や好みはもちろんのこと、年齢や体型までも把握できることがある。投稿者の詳細情報が得られることによって判断材料が増え、商品とのミスマッチを減らすことができる。

 また、投稿者のフォロワー数や周囲との関わりなどによって、その情報が信頼できるものなのかも判断しやすくなる。

 たしかにSNSでも「サクラ」レビューは存在するが、日常的な投稿がされていなかったり、プロフィール欄が不自然であったりするとすぐに確認ができるため、「サクラ」に騙されてしまうリスクは低いように感じる。ステルスマーケティングといったPR方法が問題視され、徐々に取り締まられつつあることにも希望が持てる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる