フィルターが使えないSNS『BeReal』が話題 Z世代は“映え”から”リアル”の時代へ

フィルターが使えないSNS『BeReal』が話題

 2017年に”インスタ映え”が新語・流行語大賞となって以来、SNSは“映え”と共にあり、進化し続けてきた。しかし、SNSと若者のメンタルヘルスの悪影響が最近話題になったように、キラキラしたSNSと自分の現実とのギャップに悩む「SNS疲れ」を感じている人もいるのではないだろうか。そんななか、海外を中心に”映え”一切なしの新たなSNSが、Z世代を中心に注目を浴びている。

  そのジワジワと人気を集めるSNS『BeReal』とは、1日に1枚だけ、写真を友人とシェアするシンプルなアプリ。App Storeの「ソーシャルネットワーキング」ランキングでは、一時期Instagramを追い抜くほどまでのぼり詰めた。

 

 使い方は、毎日特定の時間、2分以内に写真を撮ってアップロードするだけ。さらに、加工ができず、投稿する時間が遅れるとその時間が表記され、取り直しをした場合はその回数までユーザーに晒されるというクセのある機能も特徴的。“本物の友情を築こう”をコンセプトに生まれた『BeReal』だが、ユーザーと位置情報を共有する人気アプリ『Zenly』のように、密に繋がれるSNSは、がZ世代におけるトレンドの共通点かもしれない。

SNSを使い分ける文化 YouTubeではすでに「リアル」がトレンド?

 主流なSNSであるInstagramやTikTokは、一般的にはキラキラした、”映え”や”盛れ”のイメージが一般的に大きいかもしれない。しかし、近年のSNSでは”映え”に限らず、”あるある”や”悩み”など人間の”リアル”が取り上げられることが多くなった。

  代表的なのがYouTube。モデルや芸能人、インフルエンサーが、華やかな世界の”裏側”をみせる“ルーティーン”動画や、質問・相談動画がコロナ禍の2020年ごろから流行したことは記憶に新しい。

    その流行を体現しているのは、丸山礼のチャンネルだろう。昨年から投稿されている”愚痴共有シリーズ”や”やらかしシリーズ”では、誰もが一度はぶつかる仕事、恋愛、人間関係の悩みをInstagram上で集め、丸山礼が親身になって答えてくれながらも笑いに変えていた。「【神回】みんなのバイトやらかし話が面白すぎて全国民必見だと思う【丸山礼】の動画では、約700万回の視聴回数に加え、1万を超えるコメントが集まり(2022年6月現在)、大きな反響を呼んだ。

  このような「相談コンテンツ」で主流なのは、クリエイターのTwitterやInstagramのストーリーの質問機能でまずお題を出し、視聴者からのコメントをYouTubeやTikTok等の動画コンテンツで答えていくという”SNSの使い分け”。さらに、最近ではInstagramでこれらの流れを1つにまとめ、Instagramでコンテンツとして投稿されるケースも少しずつ増えてきている。“映えのSNS界のエース”Instagramだが、今後このような”YouTubeより短時間のコンテンツ”としての動きが大きくなると、何年後かには新しい姿に変化しているかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる