「空飛ぶタクシー」がアメリカでローンチ 運賃は約400円を想定か

 航空機メーカー、ボーイングが支援するベンチャー「Wisk Aero」は10月3日、第6世代の空飛ぶタクシーを発表した。

The World's First Autonomous, All-Electric, Four-Seat eVTOL AirTaxi

 この画期的なドローン(eVTOL:電動の垂直離着陸機)の翼幅は、50フィート(15.24メートル)もある。最高スピードは時速138マイル(約時速222km)で、高度2,500~4,000フィート(762~1,219メートル)の飛行を想定。航続距離は最大90マイル(約144km)だ。

 定員4人で自律飛行が可能。人間のパイロットは搭乗せずに地上からリモートで監視し、不測の事態が発生した場合にのみ介入する。

 さらに、乗客は飛行中にスマートフォンを充電し、 Wi-Fiにアクセスしてインターネットを使うことも可能だ。ゲームチェンジャーになる可能性があると本国アメリカでも期待されている。

 Google創業者Larry Page氏も立ち上げに関与し、2019年に米国カリフォルニア州で設立されたWisk Aero。自社開発したこのドローンは、これまでに1600回以上のテスト飛行を行い、事故は1度も発生していないという。事故の発生確率10億分の1という厳格な航空安全基準をクリアする設計だと自負する。

 アメリカ連邦航空局(FFA)の認可待ちとなるが実用化されれば、1マイル(1.6km)あたりの乗客1人の運賃は 3ドル(約430円)前後を想定。これはニューヨークといった大都市のUber Blackとほぼ同じ料金だ。

 一方、日本では厳格な規制によって、Uberなどの配車アプリの新規参入がままならない状況だ。正しい方向性を見定めるには、空から俯瞰するような視座が必要かもしれない。

 既存勢力と改革派の議論は平行線で、イノベーションは遅々として進まない。地上で押し問答をしている間に、世界はどんどん雲の上に行ってしまっている。車道の渋滞が空には皆無のため、地上タクシーと空飛ぶタクシーは所要時間では全く勝負にならない。

 既存の自動車モビリティとは、“天と地“ほどの差がつくといっていいだろう。

(画像=YouTubeより)

(source)
https://wisk.aero/news/press-release/generation6/
https://www.aviationtoday.com/2022/10/07/wisk-unveils-6th-generation-autonomous-evtol-aircraft/
https://www.slashgear.com/1036434/this-is-the-flying-taxi-that-boeing-thinks-is-the-future/

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