『Weekly Virtual News』(2022年10月3日号)

『Meta Quest 2』に並び立つ『Pico 4』の登場や大手企業のVTuber参入。2022年下半期へ向けた興味深い動向を見る

©Bandai Namco Entertainment Inc.

 以前、本連載で取り上げた「ゲーム実況AI VTuber」の「ゴー・ラウンド・ゲーム(ごらんげ)」は、9月29日にバンダイナムコエンターテインメントとバンダイナムコ研究所によるAIキャラクターのプロジェクト「プレイBYライブ」として、改めて発表された。「完全独立型の新たなバーチャルキャラクター像を具現化させるプロジェクト」として、秋から本格始動するとのことだ。

 いわゆる「指示厨」と呼ばれる、配信者への干渉が強い視聴者に対しても、AI稼働のVTuberはメンタルをおびやかされることなく配信を行えるのが最大の強みだ。現在、「ごらんげ」では独自ルールの麻雀をプレイしているが、AIたちはコメントを柔軟に処理しながら着実に成長しているようだ。「人間が動かす魅力と脆さ」がともに周知されつつある2022年だからこそ、AI VTuberも輝けると言えるかもしれない。

 「プレイBYライブ」にて用いられるシステムは現在、バンダイナムコエンターテインメントが制作中の「ガンダムメタバース」に向けても開発が進められている。AIによって自律するキャラクターが当たり前になる日も、そろそろ近いかもしれない。

 9月は半分ほどがシルバーウィークだったこともあり、大きな動きは各所とも控えめではあった。しかし、下半期に向けてか、9月最終週はある程度大きな動きが見られた。10月にはMeta社のカンファレンス「Meta Connect」も控えている。バーチャルな業界、あるいはメタバース業界に、さらなる加速が訪れるだろうか。

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