ヒカル、朝倉未来ら、なぜ大型オーディションを企画? 高額賞金から生まれる“新たなネットスター”たち
大物YouTuberが大規模なオーディション企画を立て続けに仕掛けている。
“金持ちYouTuber”のヒカルが2022年9月14日、自身のYouTubeチャンネルで、大型企画「下剋上!!人生最後の一攫千金」の予選オーディションを行う動画を公開した。同企画は、人気マンガ「カイジ」をモチーフにした、楽して大金をゲットしたい怠け者や事情があって大金が必要な人が賞金1,000万を狙って争う“クズの祭典”。動画の冒頭、41名のオーディション参加者の前に現れた主催者のヒカルは、拡声器片手に「クズの皆さん、はじめまして」と、同マンガの名物キャラクター・利根川幸雄さながらに挨拶し、これから本戦への切符をかけたオーディションを実施すると説明した。集まったのは、多額の借金を抱えた札付きのクズたち。その中から予選を勝ち抜いたのは、ギャンブルで4000万円の借金を抱えた40代の無職や、YouTuberとして売名したい借金800万円の会社員、賞金を元手に3000万円の借金を返済したい20代の元会社経営者など様々。一癖も二癖もある面々が本戦でどんなバトルを繰り広げるのか。続編の公開が待たれる。
本企画において特徴的だったのは、借金の金額や熱量はあくまでも参考程度にとどめ、キャラクターが立っているか否かを最重視していた点。先述したギャンブルで4000万円の借金を抱えた無職の40歳・にゃんキングさんが審査を通過した際に、ヒカルは「僕の権限で合格させようと思った。カイジ的な番組には必須のキャラだと思った。コテコテの関西弁でおそらくかき回すだろうと」と話していたのだが、この発言からも、いかにキャラに重きを置いているかがうかがえる。
キャラクターが大事なファクターになるのは、格闘家YouTuberの朝倉未来が主催する“1分間最強”を決める総合格闘技大会「BreakingDown」も同じ。8月18日に朝倉のチャンネルで生配信された「BreakingDown5.5」のメインイベントである、音楽グループのRepezen Foxx(旧元レペゼン地球)のDJ社長と、10人ニキこと格闘技歴なしの23歳・鈴木大輔の一戦が、最大同時接続数約41万5000人に達した。
鈴木は、「BreakingDown」第4回大会のオーディションで「武器を持った10人を1人でボコボコにした」と武勇伝を披露し、直後のテストマッチにてわずか数秒でK.O負け。以来「喧嘩10人に勝ったニキ」略して「10人ニキ」と呼ばれ、ネットの人気者となっていた。”BreakingDown最弱決定戦“と銘打たれたこの戦いに大会史上最高レベルの注目が集まった事実を見るに、強者同士のハイレベルな戦いよりも、エンタメ性の高い泥仕合のほうがネットユーザーに好まれるのかもしれない。
「BreakingDown」での10人ニキのハネ方を見るに、今の時代、ネットスターになるには、大物YouTuberのオーディション企画に参加することが一番の近道のような気もする。果たして、ヒカルの一攫千金企画から、ニュースターは生まれるのか。引き続き注目したい。
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