SNSを中心に、新曲「Habit」の“踊ってみた”が流行中のSEKAI NO OWARI。韻を踏んだ中毒性あるリリックと奇天烈でコミカルなダンスが、MV公開直後から話題となっている。本家MVは、現在8561万再生という脅威の数字を叩き出していることからも、その人気ぶりがうかがえるだろう。YouTube上にはMVを模した様々な“踊ってみた”が投稿されている。

本家に迫る完全再現系

　まず、この“踊ってみた”を語る上で外せないのが、本家MV公開の約1カ月後に投稿されたヒカキンの「Habit」だ。こちらは完コピという言葉が相応しいほどのクオリティで話題となった。それもそのはず、本家MVを監督した池田大が同じく監督を務めており、振り付けとダンサーを担当したパワーパフボーイズも出演している。何よりも、普段からの親交によって、Fukase本人が出演しているという部分も大きい。

　最近では水溜りボンドが、盟友ともいえる元パオパオチャンネルの＠小豆と共にMVを再現。完璧な踊りを見せる＠小豆と、ダンスが苦手な水溜りボンドの対比も見どころではあるが、なんといっても映像撮影と編集に力が注がれている。これまでにもMV監督経験があり、映像という分野を得意とするカンタが、本家に限りなく近い編集技術を披露。これにはFukase本人もTwitterで「なにこれすごい」と反応するほどだった。

科学者や「あつ森」も踊ってみた

また、上記のような完コピ系の踊ってみただけでなく、変わり種も多数公開されている。

　サイエンスアーティストである市岡元気のチャンネル「GENKI LABO」では、踊りながらも科学者目線の替え歌を披露。本家歌詞の「俺たちだって動物」というサビ部分が、科学者らしく“鉱物”としか聞こえなかったことから、動画中では最初から最後まで“石”の話をするという面白さを見せた。特にハイライトとなったのは、「科学者の僕が言っちゃいけないこと言っちゃうけど、失敗するってぶっちゃけ快楽」という、これまでも危険度ギリギリの大型実験の数々に挑戦してきた市岡の危うい説得力にも注目したい。

　そして、最後は「どんぐりキングダム ギャラリー」チャンネルに投稿された、ゲーム『あつまれ どうぶつの森』を使ったMVの完全再現。出演しているのは、もちろんゲーム内のキャラクターであり、楽曲もゲーム内の音をサンプリングして制作。また動画中の映像もすべてゲーム内の場面を撮影した上で、編集されているという、かなり手の込んだものとなっている。作品のクオリティもも素晴らしいが、動物たちによる「俺たちだって動物」という歌詞が見事にマッチしており、ユーモアも感じられる逸品となっている。

　本家MVが投稿されてから、約4カ月が経った。しかし今回紹介できなかったものも多数含め、各SNSには今も様々な形で”踊ってみた”が投稿されており、まだまだ加速する勢いだ。2022年を代表する楽曲として「Habit」旋風は止まるところを知らない。