賛否両論を生んだ? 東海オンエア『第4回!寝たら"即帰宅"の旅!』から考える“コラボのあり方”

東海オンエア『寝たら"即帰宅"の旅!』を考える

 人気YouTuberの東海オンエアが、8月9日に『【大型アップデート】第4回!寝たら"即帰宅"の旅!Part1』を投稿した。動画が終わるにつれて炎上も収まってきてはいたものの、Part1に関する賛否の声は、側から見ても凄まじいものだった。果てはコラボ相手に対する誹謗中傷などのコメントも見受けられた。そこで今回は、このコラボをきっかけに、YouTubeにおける視聴層の差を見極めることの重要性について考えてみたい。

【大型アップデート】第4回!寝たら"即帰宅"の旅!Part1

今回の炎上の経緯

 「寝たら"即帰宅"の旅!」は、2018年から2020年を除き、毎年1回開催されている大人気企画。2泊3日を寝ないで旅行するというもので、寝てしまった人は即帰宅かつ旅費を全額割り勘するといったルールや、20分仮眠できる券を1人3枚与えられ、仮眠券をもとに争いが起きるといった流れなど、東海オンエアファンにとってはおなじみの企画だ。動画内ではメンバー同士で寝そうになっても起こさないという本気度からも、この企画が人気になった理由が伺える。

 今年の第4回は2人組YouTuber「スカイピース」と女性YouTuber「まあたそ」「かす」の4人からなる「青春しゅわしゅわクラブ(青ラブ)」とのコラボ企画だった。東海オンエア側としては、長く続いた企画だからこそ起こりうる“マンネリ”を懸念しており、リーダーのてつやは「マンネリを伝統ととるか、変化を刺激か改善ととるか」と述べていた。視聴者からすると「東海オンエアだけの旅行が見たかった」「年に1回だけの企画だから6人だけがよかった」などと不満の声が上がっていた。

コラボの必要性

 実際、今回と似た問題は第1回にも起こっていた。寝落ち審査員として任命されたペイソンとがっちゃんに対し、この時も「6人だけの絵が見たかった」など少なからず批判の声は上がっていた。しかし、動画全体を通し、2人が完全に裏方に徹していたことから評価は一変。来年もいてほしいという視聴者の声が多くなった。

 第4回の終盤では、これまでの動画から寝ないことの難しさ、企画の厳しさを視聴者が理解したうえで青ラブのメンバーが残っており、「この辛い企画のなか見直した」「新たな脱落の仕方がみれた」など、良い評価や面白かったとの声が次第に多くなった。

【大型アップデート】第4回!寝たら"即帰宅"の旅!Part6

 コラボをすることによって企画の質を上げることができたり、別の視聴層からの新規ファンの獲得ができるといった利点がある。しかし、東海オンエアはおなじみの地元の人以外では、外部とのコラボをそこまで積極的に行っておらず、ある種の“身内感”がファンとメンバーに醸成しきっているからこそ、今回の炎上が起こってしまったと考えられる。しかし、毎回問題になりながらも最後は面白かったとなる東海オンエアの企画力や編集力、個人個人の面白さは唯一無二であると改めて感じた。

 今回の東海オンエアと青ラブのコラボは大きく賛否がわかれる初動となったが、視聴層を広げようという試みとして、まったくといっていいほど違う二つのグループを掛け合わせるのは面白かったのではないかと考えられる。今後もまだまだ広がっていくであろう視聴層の幅。埋めようとするのは難しくても、その時々にあったコラボであれば興味を持ちやすい。これからも変わっていくであろうYouTubeの歴史について、さらなる“コラボ”のあり方が生まれることを期待したい。

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