100秒=1,000円で脳波を買い取る? クリエイター集団Konelが「脳波買取センター」を開いた理由
実際に脳波を買い取ってもらった
また実際に脳波の買い取りも体験してみた。脳波を測定&買い取りを行うのはこちらの機械。中心のディスプレイに情報を入力して、脳波を100秒間読み取ってもらう。
脳波を読み取るのは、ヘアバンドのような機械。これを頭に付け、目を閉じて設定した内容について考えるだけという簡単な作業だ。筆者は趣味の「KOMAINU」を考える項目として設定。意外と長く、同じことを考え続けることの難しさを体感した。
100秒が終わり、バンドを戻すとレシートと共に100円玉が10枚、機械から排出される。これで脳波の買い取りが完了。そしてサイト上には早速買い取られた脳波絵画がアップロードされていた。ちなみに、線の濃い薄いで良し悪しはないそうだ。
なぜ脳波を買い取るのか?
現代アートながら、意識して敷居を低くしたという今回の展示は、「脳波を売る」という変わった体験をしようという目的でアートに馴染みがない人でも訪れやすいのがメリットだ。いくつも生体情報があるなか、「よりプライベートな情報」であり、同じことを考えても変化していく脳波は、一度でコレというものにならない、変わり続ける点が魅力だ。
しかし、なぜ「買取センター」なのか。出光氏は「お金は、だれでも同じ尺度の価値がある。だからこそ買い取りという体験を通して、価値について考えるきっかけに」と話していた。
自分の脳波がアートに変わる。そんな新しい体験を通して、生体データの在り方を見つめ直したい。