ネットミームから人気YouTuberへ バキバキDTにみるネットのバズが拓く新たな道

「自己防衛おじさん」や「幸せならOKです」、「21歳、拳で」など、この世にはニュース番組やネット上の投稿から有名になってしまった人たちが存在する。彼らは事あるごとに過去の画像を投稿され、コラ加工されて遊ばれる「フリー素材」としての辱めを受け続けるのだ。

 そんな彼らの中で、現在登録者15万人を超える人気YouTuberとなった人物がいる。彼の名はバキバキDT。タイタン所属のお笑いコンビ「春とヒコーキ」のボケ担当「ぐんぴぃ」としても活躍しているお笑い芸人だ。

 非常に博識でトークがうまく、自身の母校である青山学院大学で開催された100人規模のプレゼン大会で2年連続優勝した経験を持つ。大学卒業後はBOOKOFFの店長として働いていたが、同じ大学で落語研究会の後輩だった土岡に誘われ「春とヒコーキ」を結成した。

 アルバイトをしながらフリーの芸人として活動していた2019年、新宿を歩いていたところ女性アナウンサーに話しかけられる。内容は東京大学が発表した「性交渉経験率と収入に相関関係が見られる」という研究結果についてのインタビューだった。

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 ぐんぴぃはインタビューを模した大人のビデオ撮影と思い内心ウキウキで対応していたが、真相はあくまで真面目なニュース番組だったため、特に期待した展開にはならなかった。さらにこのインタビュー中の模様を見た視聴者たちの間で話題になり、SNS上で映像が大量に拡散されてしまう。彼はわずか一夜のうちに、望まずして一躍時の人になってしまったのである。

 バイト先だけでなく外を歩けば笑われる日々を過ごすなか、芸人活動ではお笑い事務所タイタンに所属。マネージャーからYouTubeをすすめられ、動画投稿を開始した。ぐんぴぃは後に、当時すでに“フリー素材”として有名だった「日体大コールのメンディー兄貴」がYouTube活動をしていることもチャンネル開設のきっかけだったと話している。

 あのインタビューから3年後、現在はコールセンターでアルバイトをしながら芸人として舞台に立ち、YouTuberとしても活動するという多忙な毎日を送るぐんぴぃ。相方である土岡や、YouTube活動を支えるスタッフたちの奮闘もあり、視聴者たちからの評判も上々だ。着々とコアなファンを増やし、チャンネル登録者は15万人を突破している。

 いまや誰もがスマホで動画や写真を簡単に撮れる時代だからこそ、いつ自分の言動が世界中に拡散されてもおかしくない。たとえ本人が望んでいなくても、一度ネットに晒されてしまえばデジタルタトゥーとして一生残ってしまう世知辛い世の中だ。

 しかし、彼はネットでの大バズりで一時窮地に立たされるも、自ら笑いに変えることでピンチをチャンスに変えることができた。今後も相方の土岡やスタッフたちとともに、YouTuberとしてだけでなく「春とヒコーキ」のぐんぴぃとして、さらに人気者への道を駆け上がって行ってほしい。

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