Internet ExplorerはなぜChromeにシェアを奪われたのか 26年の変遷を振り返る
マイクロソフトは6月15日、ブラウザ「Internet Explorer(以下、IE)」の一般向けのサポートを終了した。長らくインターネットへの窓口として利用されてきた同ソフトウェアは、これまでどのような役割を果たしてきたのだろうか。
ブラウザ戦争勃発
IEは初めて画像とテキストの同時表示を実現したブラウザ「NCSA Mosaic」をもとにして開発され、1995年に「Microsoft Plus! for Windows95」の一部として公開された。ただしIEが一般的に広く利用されるようになったのは、「Windows 98」に標準搭載されるようになってからだ。
Windows 98の標準機能となったIEは、Windowsのシェア拡大とともに標準的なブラウザとして利用されるようになった。一方で、IEの普及以前までシェアの高かった「Netscape Navigator」は、徐々に存在感を低下させたのだ。
一方で、IEがなにもかもうまくいったわけではない。2000年代に入ると多くのセキュリティホールが発見され、それによりNetscape Navigatorの後継ブラウザとなる「Mozilla Firefox」が徐々にシェアを伸ばしていく。そして、新たなブラウザ戦争の幕開けにつながるのだ。
Chromeの興隆
セキュリティホールや保守的な開発方針により、徐々にシェアを落としていくIE。そんな中、急速にシェアを伸ばしたのがGoogleが開発するブラウザ「Chrome」だ。
2008年にリリースされたChromeは、ブラウザ業界で需要が高かった「タブブラウザ」のインターフェイスを標準搭載。動作が軽量かつ更新頻度が高く、また拡張機能によってさまざまな機能を追加できるのも特徴だ。これにより、2012年にはあっという間にシェア1位のブラウザへと成長した。
その後もIEはバージョンを重ね、HTML5やCSS3といったウェブ標準を取り込み、2013年には最終バージョンとなる「Windows 11」もリリースされた。しかしChromeの影に隠れ、ブラウザ業界の主流へと戻ることはなかったのだ。