楽天モバイルの0円プラン廃止、乗り換える必要はある? povo、LINEMO、MVNOのプランと比較

 楽天モバイルが、7月1日に「1GB以下0円」を廃止し、新料金プランの「UN-LIMIT VII」を導入する。UN-LIMIT VIIでは、1GB以下0円が1段階上の1GB超3GB以下と同額になり、最低価格は1078円に上がる。データ利用量が少ないユーザーや、楽天モバイルをサブ回線として維持しながらたまに利用していたユーザーにとって、大きな値上げといえるだろう。3GBプランでは、楽天モバイルよりエリアが広く料金が安いキャリアもあり、乗り換えるユーザーが増えている状況だ。

楽天モバイルは、7月1日に新料金プランの「UN-LIMIT VII」を開始する。料金は1078円から。既存のユーザーも、新料金に自動で移行される

 たとえば、KDDIが提供するpovo2.0の新規契約者は、楽天モバイルの発表以降、2.5倍に急増したという。ソフトバンクも、LINEMOの「ミニプラン」に加入するユーザーが週末比較で2.6倍に拡大した。また、IIJmioやHISモバイルなど、低容量プランが充実しているMVNOも、通常時より契約数が増えている。番号ポータビリティを利用していなければ、どこからのユーザーが流れているのかは断定できないが、楽天モバイルの料金改定を受けての動きと見ていいだろう。

 では、楽天モバイル以外にどんな選択肢があるのか。0円で維持できるという観点で似ているのは、KDDIのpovo2.0だろう。povo2.0は楽天モバイルに対抗すべく、基本料は0円に設定されている。ただし、0円で1GBまで利用できた楽天モバイルに対し、povo2.0は0円のままだと通信速度が128Kbpsに制限される。メールや文字中心のSNSなら気にならないかもしれないが、画像が入ったコンテンツの閲覧には少々厳しい。高速通信を利用するには、トッピングと呼ばれるオプションを都度購入する必要がある。

KDDIのpovo2.0は、基本料が0円。トッピングでデータ容量を追加していく仕組みだ(写真提供:KDDI)

 低容量のトッピングは、1GBが390円、3GBが990円。ただし、1GBは有効期限が7日と短い。こちらは、どちらかと言えば、データ容量が足りなくなったときに買い足すためのトッピングで、普段使いするなら、有効期限が30日以上のトッピングを選ぶべきだろう。3GB、990円のトッピングはこれに当たる。3GBプランとして見ると、楽天モバイルより料金は安く、エリアも広い。乗り換えの候補としては有力と言えるだろう。

低容量のトッピングには、1GBと3GBがある。短期間の利用なら1GB、1カ月に渡って利用するなら3GBを選択するといい(写真提供:KDDI)

 さらに、povo2.0では、「ギガ活」と呼ばれるキャンペーンを実施している。ギガ活に参加し、特定の店舗でau PAYを利用すると、キャンペーンコードが送られてくる。例えば、ローソンで500円以上の買い物をすると、3日間有効な300MBのデータ容量が付与される。回数制限などは特にないため、毎日買い物をするだけで、データ容量が貯まっていくため、料金を払わずに利用できる。使い方によっては、楽天モバイルの「1GB以下0円」よりも多くのデータ容量が無料になるというわけだ。

「ギガ活」を駆使すれば、0円のままデータ通信を使うことができる(写真提供:KDDI)

 同じ大手キャリアでは、ソフトバンクのLINEMOも安い。上で挙げたミニプランは、3GBで990円。しかもLINEの通信がカウントされない「LINEギガフリー」まで適用される。LINEのトークだけなら通信料は微々たるものだが、LINEギガフリーは音声通話やビデオ通話も対象になる。こうしたサービスを頻繁に利用すると、3GBでは足りなくなる可能性が高い。LINEギガフリーで、これがノーカウントになれば、その他の通信に回せるデータ容量が増える。

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