『サンシャイン牧場』、なぜNFT版リリース? 人気ソシャゲのNFT化を牽引か
4月14日、『サンシャイン牧場』がNFT化され、Play to Earn(※)型ブロックチェーンゲームとして生まれ変わることが明らかとなった。
ソーシャルゲームの往年の名作として歴史に名を刻みながら、2016年にはすべてのバージョンにおいてサービスが終了していた同タイトル。今回の復刻は、ソシャゲ作品のNFT化を加速させるかもしれない。
※遊びながら収益を得られる仕組みのこと。プレイを続けることでプールされていくトークンを、取引所を通じて換金できる。ファーミング型とも呼ばれる。
mixi発の大人気ソーシャルゲーム『サンシャイン牧場』
『サンシャイン牧場』は、中国のディベロッパー・Rekooが開発・運営した牧場育成シミュレーションタイトルだ。2009年、基本プレイ無料のソーシャルゲームとして「mixiゲーム」上でリリースされ、大ヒットを記録した。
同タイトルにおいてプレイヤーは、牧場の経営者となり、農作物や家畜を育成。それぞれから収穫・生産されたアイテムを出荷しながら、牧場の規模の拡大を目指していく。mixi上でつながっているフレンド(マイミク)と協力できる点が特徴となっており、最盛期には関係性を発展させるコミュニケーションツールとしても機能した。
2010年には、モバゲーやハンゲームなどでもサービスがスタート。さらに翌年の2011年には、スマートフォン版(iOS/Android)もリリースされている。しかし、その後は少しずつユーザー数が減少し、2016年8月26日にはすべてのバージョンでサービスが終了した。
今回、復活が明らかとなった『サンシャイン牧場』は、ブロックチェーンの仕組みを活用した“NFT版”。権利を獲得したHashPaletteが自社開発のブロックチェーンシステム「パレットチェーン」上で動くPlay to Earn型のタイトルとして展開する予定だ。対応プラットフォームはiOS/Android。リリース時期は現時点で未定となっている。
『サンシャイン牧場』はソシャゲのNFT化を牽引するか
プレスリリースによると、NFT版『サンシャイン牧場』では、ゲーム内でプレイヤーが持つ農作物や家畜、土地などがNFT化され、これらを含めた牧場全体を管理することでトークンを稼げる仕様なのだという。また、収穫・生産されたアイテムをプレイヤー同士で交換することで、さらに牧場を効率的に発展させられるようだ。
ゆるく長く楽しむというコンセプトが愛されてきた同タイトル。根幹となるゲーム性はそのままに、プレイによってトークンが稼げる仕様となれば、純粋な興味から手に取る人、昔を懐かしんで手に取る人などが入り乱れて遊ぶ人気タイトルとなる可能性もある。
また、『サンシャイン牧場』が分類される牧場運営型シミュレーションは近年、裾野が広がりつつあるジャンルでもある。王道の作品では『牧場物語』や『ファーミングシミュレーター』、インディーからは『Stardew Valley』、別ジャンルとの融合まで範囲を広げれば『ルーンファクトリー』『Craftopia』など、多くのファンを現在進行形で抱えているタイトルが目白押しだ。NFT版『サンシャイン牧場』がこれらと肩を並べられるかは、ゲーム性やUI/UXを時代に合わせてどれだけアップデートできるかにかかっていると言えるが、その可能性はゼロではないだろう。
一方、NFTゲームの分野に目を向けると、スニーカーをNFTとし、徒歩での移動によってトークンを稼げるPlay to Earn型(Move to Earn型とも言われる)のゲーム『STEPN』も、界隈では注目を集めている。今月には日本のスニーカーブランド・アシックスとのコラボレーションを発表したことでも大きな話題を呼んだ。「牧場シム×NFT」といういまホットなジャンルの融合は、プレイヤーの予測を超える、思わぬ化学反応を生むかもしれない。