宇志海いちごの活動に感じる、VTuber・配信者が「大事にすべきこと」
彼女の魅力といえば、明るくて元気なテンションとムード。それがうまく伝わる配信としてはおえかきチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」やイラスト制作ソフトCLIP STUDIO PAINTを使ったお絵描き配信であろう。
配信の多くで流れるBGMはどこかメルヘンチックで、リスナーと共に絵を描きあい、喜んで見せたり悩んでみせたりと一喜一憂する声や姿が印象的。お絵描きをするとなると、普通の配信者なら集中するために言葉少なく集中していくことが多いが、彼女の場合はテンションの高さや筆の速さも相まってかテンポ良く進むことが多い。
彼女のYouTube初配信の内容が「お絵描き」であることからも分かるように、彼女にとってとても重要なファクターでもあるのは間違いない。
可愛げな外見と元気の良さという括りには収まらないほどの過激な発言も時には見せる天真爛漫さや、Twitter上でのツイートが全てひらがなで統一される幼さは、彼女のキュートさをより強く引き立てているように感じる。
雑談配信を開始したところから、途中からお絵描きを始め、リスナーからのマシュマロにも答え、Twitterでのファンアートを確認し始めたり……と配信中にコロコロとやることが変わっていくことも多く、その移り気ぶり・アクティブさには目を見張ることも多い。
彼女と言えば、とある時間・タイミングになると「あ!バイバーイ!」といきなり配信を終了する「定時退社」を心がけていたこともあったが、徐々に配信時間が長くなるにつれ、自身のタイミングで自由に延ばしたり、逆に配信時間が1時間以内で終えたりするなど、天真爛漫なアクションでファンを魅了していった。
「いちごは、かわいいじゃなくて、かっこいいだよ!」と彼女に怒られそうだが、雑談やお絵描き配信などでみせる可愛らしい様子とFPS〜サバイバルゲーム配信で見せる攻めっ気ある姿には、良い意味でのギャップを感じる。
そんな彼女の姿に魅了される同僚も多く、伏見ガク、ベルモンド・バンデラスはほか配信中にも時折彼女の名前を上げるほど。
特に仲が良いといえば、同じく元2期生の物述有栖であろう。容姿が同じように幼いということもあり、彼女のサポート役にまわることもしばしば。コラボ名「アリストロベリー」として多くの配信をともにし、自宅に招いてのオフコラボもこなすなど、良き友人として共に活動してきた。
彼女に転機が訪れたのは、2021年4月15日、1年前の誕生日配信であろう。それまで順調に配信を届けてきたはずの彼女が、直前の2月途中から突如として配信がストップしてしまい、不安の声があるなかでこの日の誕生日配信を迎えたのだ。
開幕早々にリスナーやファンに謝りながら、その胸の内を明かした彼女。励ますリスナーとともに会話を続けていくなかで、思わず涙を流すのが伝わってくる。
途中からYouTubeチャンネル登録者数15万人を達成するかもしれないことに気づき、Discordにて凸待ち(配信者が視聴者や同業者からの通話を待つこと)を募集。剣持刀也、ギルザレンIII世、伏見ガクといった元二期生メンバーに加え、これまで仲の良かった東雲イツサ、エルセ、海月ねう(をとは)、寧々丸などが彼女の配信で誕生日を祝い、約6時間半にも及ぶ配信の結果、無事に15万人を達成することになった。
配信に訪れた方々一人ひとりのイラストを描き、この配信を通じて感謝を伝える彼女。これで今後の活動もうまく好転していくことも考えられたが、2021年6月末を最後にふたたび配信がストップし、Twitterの更新も止まってしまったのだ。