“変身動画のパイオニア”おおしましゅんが明かす、世界を巻き込んでバズを生み出す方法論
――しゅんさんは「変身動画」だけでなく、バズっている音源の振り付けも作っていますよね。同じTikTokの中で別の切り口でも活躍されていますが、ダンスを作る際に気にかけていることがあれば教えてください。
しゅん:ダンスにおいては「キャッチ―さ」と「かわいさ」が僕の中では最優先です。最近、ティーンの中でハートの中に入るポーズが流行っていますが、そういうポーズを積極的に取り入れるようにしていますね。実は以前、双子ダンスを作るときに、自分がとても可愛いと思っていた振り付けが視聴者の方にはちょっと難しいというギャップが生まれてしまったことも。だから今は難易度も気をつけています。真似する側の立場で考えたら少ないカロリーで踊れた方が良いのかなという発見になりました。
――しゅんさんの作品は「変身」がキーワードだというのは感じていましたが、変身動画だけでなく、複数のジャンルへの変身というところもしゅんさんらしさかと思いました。変身動画、ダンス、歌、絵を描くこと、それぞれに個性の出し分けはありますか?
しゅん:絵を描くときは、この右手が何年に一人生まれるぐらいの神絵師のつもりで、振り付けを作るときはもうTikTokで一番人気の振付師が作ったつもりで、そんな自己暗示をかけてやっています。歌うときも声を作って綺麗な歌声になりきるのですが、しゃべり声と全然違うから歌っていないんじゃないかと思われてしまうことも(笑)。僕の中では、もう僕ではなく、変身してなりきった誰かが歌っている感じなんですよ。
――今後改めて挑戦したいことがあれば教えてください。
しゅん:僕自身は歌うことがすごく好きなので、いずれは音楽もやりたいなと思っています。そのためにいまは曲を作ったりもしています。あとはボーカロイドの楽曲がとても好きなので、いつかボカロPの方と音楽で共作したいと企んでいます。あわよくばその曲に妹と振り付けして、世に発信してそれで変身もして(笑)。そういう風に自分で作ったものをアウトプットしていきたいですよね。今はアウトプットできる機会が揃っているので、そこをちゃんと生かしたいと思っています。
――最後に、改めて読者の方にエッセイの見どころをお願いします。
しゅん:僕の人生にかなりフィーチャーした一冊になっています。重度の円形脱毛症で悩んだ中学校3年生のときから、回復し、インフルエンサーとして活動するという道が一冊になっているので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。あと生まれて初めて女装もやりました! かわいくなれるんじゃないかと思っていましたが、撮影現場で爆笑を巻き起こすくらいの仕上がりになりました。自分のいままでのおごり高ぶったポテンシャルが女装にどう出たのか、そこにも注目して見てほしいです!
■書誌情報
『変身動画の申し子 ビジュ爆発のルーティン 今、かわりたいキミへ』
TikToker おおしましゅん 著
発売日:2022年4月18日
出版社:ワニブックス