「うたのおねえさん」とのギャップが魅力? 鈴鹿詩子の持つ“にじさんじ”らしい一面
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一社であるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドで、アーティストとして陽の目を浴びる者も増加している。
今回から数週に渡り、ある時期にデビューをともにした世代についてスポットを当てていきたいと思う。にじさんじ初の公式バーチャルライバー「元一期生」がデビューしてからおよそ1か月後、新たに活動を開始した10名の公式ライバーたち、現在「元二期生」のメンバーだ。
まず最初に紹介するのは、元二期生各々の強烈なキャラクター性や、にじさんじにとっての“大事なメンタリティ”を持ち合わせたタレント、鈴鹿詩子についてだ。
画面の向こう側の世界のチビっ子たちに人気絶大のカリスマ的「うたのおねえさん」。子供向け番組で歌やことば遊びを披露している。飾らないルックス、安心感を与える歌声から親世代からの評判も良い。(にじさんじ公式サイトより引用)
公式HP上でこのように紹介される彼女は、NHKのような公共放送を通して多くの国民にも慕われるような、ある意味では倫理的・道徳的な見本として紹介されている。
彼女にとっての最初の配信は、2018年3月13日にMirrativでの生配信。過去にはSHOWROOMやbilibiliといったプラットフォームでも配信してきた。
彼女のYouTubeチャンネルを改めて見てみると、様々なタイプの動画・再生リストを丁寧に揃え、いかにして自分というキャラクター・存在を知ってもらうかに腐心しているかが伝わってくる。
これまでの生配信アーカイブを筆頭に、彼女を初めて知る人にむけた「すぐわかる鈴鹿詩子」シリーズ、自身の趣味・嗜好性・センスがうかがい知れるような単発の企画動画、海外リスナーに向けた英語字幕が付いた動画、10秒ほどのお笑い動画として流行っているShorts動画など、さまざまに揃えているのが目に見えて分かる。
にじさんじには現在海外含めて150人ほどのバーチャルタレントが所属しているが、ここまで多種多彩に揃えるタレントも数えるほど。いくつかの動画は彼女のリスナーや切り抜き動画を制作する方々の制作ということでもあり、自身の編集と合わせて二人三脚でファンと共に歩んできたことを強く感じさせてくれる。
「歌は上手くはない」と彼女は謙遜しているが、デビュー以前には歌に関するお仕事に従事していたことをあきらかにしているように、歌ってみた・カバー動画の制作も多い。なにより自身のオリジナルソングを3曲発表しており、それも自身の作詞・作曲によって手掛けられた楽曲というのも特徴的であろう。
「性癖変だし 根っから腐ってるし 本当に私でいいの?」
「ポンコツ腐女子でダメ人間」
自己を否定する弱音を自らの手で記し、声に出してリスナーにとどける。その一連の流れに底流しているのは、どうしても自分を卑下してしまいがちになってしまう「自身のクセ」であり、彼女がこれまでに共にしてきた嗜好性の数々にも理由がありそうだ。