パンクしない「エアレスタイヤ」をDIY 海外YouTuberによる車マニアの世界

 車関連の動画を投稿するイギリスのYouTubeチャンネル「Driven Media」(チャンネル登録者数14万人)が、2022年3月4日投稿の「I Made DIY Airless Tires」という動画で、空気を抜いた車のタイヤ「エアレスタイヤ」の実験企画を実施した。

I Made DIY Airless Tires

 通常、車のタイヤには当然空気が入っている。それはタイヤ内の空気がクッションの役割を果たし、路面の凸凹による衝撃を軽減することで乗り心地を良くするため。一方で、月に1度タイヤの空気圧が適正値になっているか確認することが推奨されており、人によっては面倒に思っている方もいるだろう。また、劣化や異物が刺さることなどによってタイヤがパンクし、中の空気が抜けることもある。これらの課題を解決したのが、こちらのエアレスタイヤというわけだ。

 動画で登場するエアレスタイヤは、リム径(タイヤ内径)14インチのホイールの周りに、15個の水道管のパイプを貼り付け、路面に接する部分だけをタイヤのゴムで巻いている(画像参照)。また、タイヤ内で空洞ができる部分には小さなパイプを挟みこみ、振動の軽減を図っている。こちらのエアレスタイヤを4つ、ケータハム(イギリス自動車メーカーの車)に取り付けていざ実験。

 結果、走行自体はできていた。動画内では時速30マイル(約48キロメートル)までスピードを出しており、ハンドルを回した方向にしっかり進んでいる。また、実験として無数の釘を貼り付けたシート上をエアレスタイヤが通過したが、問題なく走行していた。タイヤに空気が入っていないからこそパンクもしない、これがエアレスタイヤの強みであろう。

 一方で、エアレスタイヤは課題も多い。まずは走行音が非常にうるさい。実際に、走行中の音量を計測すると約98デシベルで、これは地下鉄の構内に匹敵するほどの騒音となっている。また、タイヤ内に空気が入っていないので、路面からの振動がもろに搭乗者に伝わってしまう。さらに、走行の衝撃に耐えられなかったためか、走行中にタイヤのボルトがいくつか外れてしまっていた。これらの課題を見ると実用化には程遠いだろうが、YouTubeの企画としては非常におもしろい取り組みであった。

Why New Cars Keep FAILING the Moose Test

 Driven Mediaでは、このような車マニア向けの動画をメインに投稿している。たとえば「Why New Cars Keep FAILING the Moose Test」という動画では、新しい車がムーステスト(突如現れる障害物を避けたときの、車の挙動を見る試験)に失敗し続ける理由を説明し、再生回数は現時点で約1077万回を誇っている。Driven Mediaの動画は車の深い知識が身につくものばかりなので、車が好きな方は一度視聴してみてほしい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる