きまぐれクック・かねこ、旧スタジオに別れ 視聴者も愛した“きまぐれクックらしさ”を象徴する空間

 心躍る新居での新生活の裏側には、住み慣れた旧居との別れがある。引っ越しシーズンの今の時期。出立前に、思い出の染みついた空っぽの我が家を見て、寂しい気分になっている人は多いことだろう。

【1億円超え】最強のキッチンスタジオを建てました!【ルームツアー】

 魚捌き系YouTubeチャンネル「きまぐれクック」を運営するかねこも、そんな切ない別離の只中にいる一人。かねこは今年22年1月9日に公開した動画で、およそ1億5000万円かけて豪華なキッチンスタジオを建設したことを報告した。広々としたメインキッチンのほか、落ち着きのある和室スペース、業務用の魚焼き機・製氷機などを設置した土間作業スペース、バーベキューをすることを想定したウッドデッキ付きの庭、人工芝を敷き詰めた秘密の地下室などを備えたこの新しい城を、メインチャンネル「きまぐれクック」の再生数から発生する広告収入のみで新築したというから、YouTubeドリームを感じずにはいられない。

 こうした華々しい“ご報告”に称賛の声が飛び交う一方、かねこがYouTube活動開始当初から使い続けたスタジオが撮影で使われなくなることを惜しむ声もあった。もともと、かねこの亡くなった祖母の家だったこのスタジオ。親しみやすいかねこのキャラクターを反映したかのような生活感のある空間としてきまぐれクックの動画ではお馴染みだっただけに、寂しさを覚えるファンも多かったようだ。

1ヶ月、動画上がらなかった理由。

 もちろん、寂しいのは視聴者だけではない。かねこも同じ気持ちだ。3月13日にサブチャンネル「きまぐれクックのサボり場」に公開した動画でかねこは、すっかりモノがなくなった旧スタジオに登場。サブチャンネルに動画が1か月ほどアップできていなかった理由の一つとして「ここのお片付けをしていました。もう、むちゃくちゃ大変だった」と漏らした。また、新スタジオへの移動を決めた理由の一つである建物の老朽化のため、「ここはもう壊しちゃうんですよね」とも明かした。

 「旧スタジオで何か捌こうと思ったんですけど、あえてやめました。いつまでも未練たらたらもよくない」とかねこ。「今回の動画で旧スタジオが映ることは最後だと思います」と言いつつ、最後のルームツアーを行った。社会人時代に寝泊まりしていた部屋をはじめ、居間や押し入れなどを巡る中で、もっとも思い出が詰まっていたのは、やはりキッチンだった。「ここで色んな料理作ったなぁ」「このスペースだけでやってたんですよ? ようやっとったなと思いますよね」など、話は尽きない。

 このように最後のルームツアーをした理由として、かねこは「データを残したい」と述べ、「YouTubeって本当にいいですよね。思い出を残せますからね。思い出って、年を取るごとにどんどん忘れていっちゃうもの。でも、動画は唯一タイムスリップができる素敵なものだと思う」と説いていた。きまぐれクックらしさ、かねこらしさを体現していた旧スタジオが取り壊されることに名残惜しさを感じる視聴者も、クリック一つでいつでも過去に戻って楽しめることもまた、YouTubeの良さと言えるだろう。

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