『エルデンリング』と『ポケモンレジェンズ アルセウス』の共通点。「オープンすぎないワールド」が大作ゲーム発展のカギ?

 とはいえ、こうしたゲームデザインは、あくまでAAA級の超大作よりは少し規模の落ちる、AA級以下のタイトルで用いられる場合がほとんどであり、『アルセウス』と『ELDEN RING』のように、世界規模でここまで広く注目されるゲームに短いスパンで取り入れられるのは、割と珍しいことだろう。とくに『ELDEN RING』はメタスコア97点(2022年3月3日現在、PS5版)という歴史上でも屈指の圧倒的高評価を受けており、今年のゲーム・オブ・ザ・イヤーの最有力候補のひとつになることは確実だ。

 『アルセウス』や『ELDEN RING』のオープンフィールド的な構造とシリーズ過去作から続くシステムとの掛け合わせが、それぞれに極めて上手く行っているのは大前提として、これらタイトルの躍進には、すでにゲームデザインとして確固たる型ができて久しい「完全なオープンワールド」のほうが、近年では新鮮なゲームプレイを生み出すのが困難になっている、という事情も大きいように思われる。とすれば、この2作のような「オープンすぎないワールド」のほうにこそ、大作ゲームにおける新たな発明の鉱脈は眠っているのではないだろうか?

 『ポケモン』の例のように、さらなるオープンワールド化に進む動きも見られるものの、「オープンすぎない」からこその新鮮さを追求したタイトルの発展も、この先もっと見てみたい。『アルセウス』と『ELDEN RING』を続けてプレイし、そこに可能性を感じた筆者としては、そんなふうに期待するのだった。

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