「手軽なツールでの作曲が、時代の”音”になるかもしれない」みのミュージック・みのに聞く、音楽体験のこれまでとこれから

みの x iRig Stream Proインタビュー

──みのさんは、自宅での楽曲の録音などはしていますか?

みの:お恥ずかしい話なのですが、いわゆる”宅録”にはちょっと偏見があったんですよ。はじめに宅録に興味を持ち始めたのは10代のころなんですが、その頃はまだ子供が手軽に使えるようなソフトもあまりなくて、音も悪かった。もちろん当時でも、。めちゃくちゃお金をかければ別だったと思うんですけどね。。その認識のままでずっといたので、宅録を始めたのは20代の中ごろなんです。そしたらもう、びっくりするくらい音も良くなっていて。もっと早くから気づいていればよかった……と後悔しています(笑)。もったいない数年間を過ごしてしまいました。

──今回使っていただいたIK Multimedia『iRig Stream Pro』は宅録にも使える最新のハードウェアですが、第一印象はいかがでしたか。

みの:シンプルでいい製品だなと。スマートフォンと一緒に使えるオーディオインターフェイスは色々出ていますが、『iRig Stream Pro』はいろんな機能を持ちながらワンアイテムで完結しているのがいいですね。どこに何をつなげればいいのかもすぐにわかるし、軽くて小さいから、ラップトップPCとかスマートフォンと一緒に外に持ち出すのもいいですね。友達の家でギターを弾いたり、スタジオでちょっとした制作をするのにも使える。コストパフォーマンスが高いので、若い人とか、学生にも嬉しい製品なんじゃないかな。

──若い人の活用方法も気になるところです。

みの:いまはiPhoneで曲を作ってヒットさせる人もいますし、若いミュージシャンや、音楽を始めたいと思っている人には強力な味方になるツールなんじゃないかな。生配信にもいいですよね。いま、生配信で音楽を紹介する方々が結構いて、僕もよく動画を見るんですが、そういうプレイにもちょうどいいインターフェイスだと思います。

海外のYouTuberで、ターンテーブルとミキサーを上から撮影して「今日はソ連のジャズをかけます」「ブラジルのポップスをかけます」みたいなことをやっている人がいるんだけど、そういう「DJプレイ配信」みたいなコンテンツとは特に相性が良さそう。そこからDJとして人気が出るとか、彼らがキュレーターとして日の目を見ていなかった音楽にスポットライトを当てて、また新しいムーブメントが生まれるとか、そういう未来もあり得るのかなと。クラブに持ち込んでDJ配信するとかも、これ1台で簡単にできますよね。

──みのさんだったら、『iRig Stream Pro』をどんなふうに使いますか?

みの:僕もDJをやってみたいですね。あと、もう一時のブームは過ぎましたけれど、たとえばClubhouseみたいな音声SNSにいい音を出力できる、というのも嬉しい。Clubhouseでミュージシャンの友達がジャムセッションしていたことがあって、そこではみんな、スマホのマイクに直接音を入れているみたいな状況で。そういう時に手元の『iRig Stream Pro』でライン入力をすれば、音質が簡単に改善しそうです。ループバック機能がついているのもありがたい。

いずれにせよ、「スマホで生配信」という部分に注力した製品は珍しいと思うし、すごくいいなと思います。音にまつわるWEBサービスやリモートジャムセッションみたいな需要は変わらずあるし、今後そういったサービスが増えていくとも思うので、そういったサービスと一緒に使ってみたいなと。

iRig みの

──『iRig Stream Pro』が1台あるだけで、気軽にいろんなプレイが楽しめそうです。

みの:そう思いますね。若い人たちには、なるべく「楽な方法」を見つけてほしいんですよ。ヒップホップの偉人たちも、投げ売りされていた激安のドラムマシンとかで時代の音を作ったわけじゃないですか。その時代に手に入りやすいデバイスが”時代の音”を作るようなムーブメントは絶対にあって、もしかしたら「スマホとインターフェイスを組み合わせたサウンド」が、いつの日かいまの時代を象徴するサウンドとして語られる日が来るかもしれない(笑)。なのでぜひとも肩肘張らず、『iRig Stream Pro』のような手軽に使えるアイテムも駆使しながら、楽な道を見つけて楽しんで欲しいです。その方がきっと、面白いものが生まれるはずなので。

──みのさんが、様々な表現活動を並行して行っている理由やモチベーションについて、改めて聞かせてもらえますか?

みの:アーティストはみんな批評家だと僕は思っているんですよね。それに賛同してくれる人が、リスナーもアーティストも意外と少なかったりするのですが(笑)。音楽を作っている時点で「あれが良くて、これは良くない」とか、「既存の音楽の、こういう部分にカウンターしたい」とか、選択しているわけじゃないですか。それって批評なんですよ。多かれ少なかれ、誰でもやっていることなので、僕だけが他の人と違うことをやっているとはあんまり思っていないんです。批評をしながら音楽活動をするということでいえば、シューマンもチャイコフスキーもやっていたことですしね。

iRig みの

■商品情報 IK Multimedia『iRig Stream Pro』
iRig Stream Pro は、iPhone・iPadなどのiOSデバイス、Androidデバイス、そしてMac/PCに対応したストリーミング・オーディオインターフェイスだ。最高24bit/96kHzに対応したデジタル接続(4イン/2アウト)を備え、ファンタム電源にも対応したXLRマイク&標準のコンボ端子、ミキサーや外部再生装置を接続するRCAステレオライン端子、ヘッドフォン/ヘッドセットを接続するTRRS端子を搭載する。さらにiRig Stream Proを接続したデバイスの再生信号をループバックさせることも可能。 プロクオリティーのストリーミングに必要なすべてが、手のひらサイズに収まる画期的なデバイスだ。

・主な仕様
量子化:24ビットA/D、D/A変換
サンプルレート:44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz
電源:USBバスパワー、電池、DC入力(iPhone・iPadでファンタム電源を使用する場合は、電池またはDC入力(別売のiRig PSU 3A)が必要。DC入力時はLightningからデバイスに充電されます)
メーター:LED×3
デバイス接続端子:ミニDIN
サイズ:123mm x 67mm x 40mm
重量:146g
WEBサイト:https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-stream-pro

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