レトロな外観だがBluetooth対応! 最新式ラジカセ「SCR-B5」で少年時代を思い出す
「ラジカセ」とはマイクを内蔵したコンパクトカセットテープレコーダーに、ラジオチューナーが組み込まれた音響機器である。ラジカセは1970~80年代頃に大ヒットとなり、数あまたの製品が世の中を席巻したことは、当時青春時代を過ごした人であれば誰でも覚えているだろう。
現在では廃れてしまったカテゴリーであるため、今になって尖った性能や機能を求めるラジカセユーザーにとっては、中古品を探すしかなかった。しかしこのたび株式会社ドウシシャから、昔懐かしい1980年代のレトロなデザインで、しかも60年以上の歴史あるテレビメーカー「ORIONブランド」の製品として、今どきのデジタル機能を内包した新時代のラジカセ「SCR-B5」が発表された。さっそくレポートをしてみよう。
本機の特色として、まず「ラジカセ」を称する以上、ラジオとコンパクトカセットテープレコーダー機能(本機はセミオートストップに対応)が内蔵されているのは言うまでもないが、令和の時代に対応するべく、以下の機能が追加されている。
・Bluetooth5.0スピーカーとしても利用可。スマホやタブレットの音源を再生可。
・USB端子を搭載。USBメモリー(32GB以下)内のMP3データを再生可。
・Micro SDカードストットを搭載。32GB以下カード内のMP3データを再生可。
・AC100Vおよび単1電池×4本で可動。
さらに、
・カセットテープの音源→USB/Micro SDカードへMP3として録音可能。
・USBメモリー・Micro SDカードのMP3フォーマット音源→カセットテープへ録音が可能。
・Bluetoothで接続した音源をカセットテープに録音可能。
という優れもの。決して見かけ倒しではなく充分実用になるスペックだ。
ではさっそく見本品を開梱してみよう。
サイズ・重量感も相応にあり、これが決してなんちゃってラジカセではなく、真剣に作られた製品であることを実感する。
カセット挿入口にカセットテープを挿入してみる。……嗚呼、カセットテープでの録音・再生を試すのは何年ぶりだろうか。ちなみに記事執筆のためにテープの購入先を探してみたが、近所の100円ショップでは見つからず、結局近くのホームセンターで何とか見つかった。良かった。
続いて自分の声を録音してみた。問題なく再生できた。音量に合わせてカセット挿入口下部のピークレベルメータが激しく点滅した。これは血湧き肉躍る。
思えば当時初めてラジカセを購入した時に、飽くこともなく自分の音声を録音しては再生を繰り返していた。今から思えば他愛もない遊びをしたものだ。スマホ全盛の現代っ子には想像もつかない世界だろう。
さてMicroSDカード内のMP3の音声データを「SCR-B5」で再生してみた。問題なく再生可能。次にUSBメモリー内のMP3の音声データも「SCR-B5」で再生してみた。こちらも問題なく再生できた。
Bluetoothスピーカーとして使う場合は本体のスライドスイッチを所定の位置に合わせ、スマホのBluetoothメニューで「SCR-B5」を選択。なんなく音楽を鳴らすことができた。残念ながらBluetoothで再生された音源「だけ」は「カセットテープにしか録音できない」ので要注意だ。
「SCR-B5」は、古き良き既存のラジカセ機能のみならず、最新のメディアにも録音再生が可能な、令和新時代の「レトロにもかかわらずニューテクノロジーを搭載した」ラジカセだ。古き好き時代を勤しみながら最新鋭ガジェットも堪能したい、という人にとっては充分購入の検討に値する商品だと言えるのではないだろうか。
■「SCR-B5」仕様
アンプ定格出力:(THD:10%)2.1W+2.1W
チューナー受信周波数 FM:76.0~108.0MHz/AM:530~1629kHz
スピーカー:10cmフルレンジスピーカー×2
USB:ストレージは32GB以下・FAT32対応
SDカード:SDHC・32GB以下・FAT32対応
再生・録音フォーマットMP3 128kbps
Bluetooth:Ver.5.0 対応プロファイル :A2DP・AVRCP 対応コーデック :SBC
電源:AC100V 50/60Hz・DC6V 単1 形乾電池×4本(乾電池連続使用時間:ラジオ受信時:約65時間、カセットテープ再生時:約40時間、USB・SD・MP3 再生時:約40時間、 Bluetooth接続時 :約65時間)消費電力:15.0W(スタンバイ時:1.3W)
外形寸法:幅約388×奥行約125××高さ約202mm(突起物含む)
質量:約2.3kg(本体のみ)
*内蔵マイク録音時はモノラル録音となります。